心臓大動脈弁閉鎖不全症覚書

(7)
9月1日
術後5日目。レントゲン、血液検査、体重73.7kg。入院生活もだんだん退屈し始めてきた、それだけ順調な回復なんでしょうが。
 家でもほとんどテレビを見ないのだが、本当にテレビは面白くない。不快な宣伝、不快な番組、10分テレビを見続けることができません。仕方がないのでキンドルで本を読むが、こちらも長続きはしません。ベットの上で「ぼー」と過ごす時間が続きます。

9月2日
術後6日目。血液検査、体重72.8kg、歩行訓練450m。手術の傷の痛みはありません、寝ちがったのか首や脇腹の筋肉が痛い。

9月3日
術後7日目。レントゲン、血液検査。わずかな検査時間以外は「うとうと。ぼーっ」と過ごす。歩行訓練950m。

 9月4日
術後8日目。レントゲン、血液検査、超音波検査、心臓エコー検査。15時シャワーに入る。術後初めてのシャワーで気持ちよかったが手術跡を初めて見て、おそるおそる私の手を当ててみた。歩行訓練1050m。

9月5日
術後9日目。逸子さん来る。術前より体調が良いような気がする。

9月6日
術後10日目。4時半起床。体重71.7kg。
術後のワーファリンの量が定まらず今日まで点滴を受けていたが、それも終わりのようだ。鬱陶しかった私の身体に繋がっていたチューブとお別れだ。
 食事が美味しくない。ニューハートワタナベ国際病院の食事は名のある和食の料亭が監修しているようだが、野菜等の素材がまずく食が進まない。身体の回復に反比例するよう食事を残すようになる。歩行訓練は階段の上り下りなどに挑戦。

9月7日
術後11日目。体重71.1kg。今日から316号室に移動。12畳ほどの部屋にキングサイズのベット、4畳ほどの和室付き。トイレ、テレビ、シャワー完備、差額ベット代15000円。
 便秘が気になり下剤を処方してもらう。痛み止めも止める。


9月8日
術後12日目。3時半起床。今日の予定は血液検査とレントゲン、そして外出歩行訓練。日中は「うとうと」して過ごす。相変わらず食事が「苦行」だ。
夕方、外出歩行訓練。病院近くのコンビニで食べ物を購入。「買い食い」の楽しみを満喫する。

9月9日
 術後13日目。熟睡のできない毎日だ。体重70.7kg。
朝の回診で木内医師より「退院」の話がある。家まで電車で帰るのは辛いので、次男の都合の良い月曜日に退院したい旨を伝える。明日の日曜退院は事務手続きなどでできないので「最短」での退院だ。
 昨日の「外出歩行訓練」で味を占めたので、今日も迷わず「外出歩行訓練」。退院も決まり足取りも元気になる。

9月10日
術後14日目。そしてニューハートワタナベ国際病院での入院最後の日曜日。8日、9日と「買い食い」をしたためか、体重が少し戻っている。71.6kg。
17時半頃夜勤の看護師が来る。「明日の退院について何か不都合はありませんか?」と尋ねられたので「抜糸がされていないのですが、これは明日ですよね」と看護師に聞くとあわてて医者が来て抜糸をしてくれた。「チクッ」と痛かったが、退院、たいいん、 タイイン、、、私の心の中は明日の退院でいっぱいだ。
9月11日
術後15日目。5時起床。10時に次男が来てくれた、遅れること15分ほどで妻も到着。精算、お世話になった皆さんに挨拶をして次男の車で家路につく。

 心臓の手術後3ヶ月ほどは手術前より「苦しい」と言われているが、私の心臓は順調に回復しているようだ。心臓が「元気」になるには(普通の人のように動けるようになるには)1年ほどの時間が必要とも言われる。無理をせず、慌てず、心臓をいたわり、少しずつ普通の生活に戻れるようにリハビリに励みたい。(終わり)