心臓大動脈弁閉鎖不全症覚書

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手術が決まってから読んでいる本。
 体験談ブログを読みますと人によっては聖書などの心によりどころを求める宗教関係の本、手術体験記や医者の書かれた本、体験談記などを読まれているようです。
私は初めにニューハートワタナベ国際病院渡邊剛医師の本をネットで注文して、その間は気を紛らすために旅行記「世にも奇妙なマラソン大会」高野秀行。「リヤカーを引いて世界の果てまで」吉田正仁。の本を15,6日に読み、「稚拙なるものはされ」「医者になる人にに知っておいてほしいこと」渡邊剛医師の本を17,8日に読みました。非常に真摯で好感の持てる本でした。この方に手術をしていただけることは幸せと思いました。
その後は「宇宙に外側があるか」松原隆彦。この方の本はすきで読んでいます。「日米同盟のリアリズム」小川和久。ビデオはアマゾンプライで「ヒューマンプラネット」「ビックバン・セオリー」を見て気をまぎわわしています。
病は気からなのか、急に心臓病が悪くなったような感じで、「手術日まで心臓が止まらなければ良いが 」と夜中に考えてしまうこともあります。

8月21日
 来週の今日は手術日、私が手術をするわけでなく、私はベットに寝てマグロ状態。でも1週間前から落ち着きません。

8月22日
 心臓手術は仕方ないなと思う気持ちが9割、何とか逃げる方法はと思う気持ちは1割。でも、渡邊医者の本を読んだら、その真摯な態度に心が打たれ渡邊医者に出会えたことに感謝している。この状況では最高の出会いと思える。やはり心臓手術という大手術は真剣に悩み、自分の心臓、命を預けられる人をまじめに探すべきだと思う。ネットという時代はその可能性を平等に、広く広げたように思う。
「資本主義の終焉と歴史の危機」水野和夫。良書、星4個。
 6月2日に Nクリニックに行ったとき「心臓に負担をかけるので飲酒は休んだ方がよい」と医者に言われ飲酒を休むことにした。20歳からほぼ毎日酒を飲んできた。酒は酔うために浴びるように飲むのではなく、基本は日本酒を1−2合、暑い季節はビールを、かぼすの季節は焼酎を、気分転換にウイスキー。そんな「何でも」酒飲みです。
 13年ほど前の大病の時約1ヶ月ほど飲酒から遠のいていたのが「断酒」最長記録だと思います。今回は6月2日からビールの美味しい暑い季節も酒を飲まずに今日まで約3ヶ月断酒をしています。外科の医者は「喫煙は心臓にダメージが大きいのでだめですが、飲酒は飲み過ぎなければかまいませんよ」というお話。アルコール中毒でないという証明と、願掛けと言いますか「別に飲まなくてもいいや」が今の私の心境です。

8月23日
 猛暑。術後はしばらく床屋にも行けないと思い髪を切りに行く。普段より短くしてもらう。床屋の鏡に映る自分の顔を見ていて「最悪の時はこの顔で棺桶に入るのか」と思い鏡に映る自分の顔を見る。「ニワトリ愛を独り占め」(遠藤秀紀)、「大陸誕生」BBC・ビデオ。やはりちょっと動くと動悸息切れがひどい。今回の私の心臓手術はけして早くはないようだ。手術により心臓が改善されるとうれしいが。
入院期間は何日なんだろう?痛みは?不安になり心臓弁膜症手術の「体験ブログ」を読むが「十人十色」。10日もかからず退院した人、拗らせ退院後再入院した人、思いの外長期入院のなった人、痛みについてもそれぞれ違うようだ。当たり前だが全員、心臓弁膜症手術より生還して社会復帰を果たしたことのみ一緒です。その人たちの生還を「良いなー」と思います。
 妻が入院時の下着等々を購入してくれ、宅急便に詰めてくれた。病院に一緒に行ってくれ、私の体調を心配してくれ、今回の入院に必要なものもすべて買い出ししてくれた、ありがたい。

8月24日
 心臓弁膜症の手術が行われたら「人工弁」でも「生体弁」でも血が固まるのを防ぐためにワーファリンを暫く飲むようになる。ワーファリンを飲んだら納豆や色の濃い緑黄色野菜は食べられないらしい、朝納豆を食べる。ここ最近毎日のことだが、眠い。
 煮え切らないというか、まな板の鯉になりきる根性がないというか、グズグズと他人の心臓弁膜症手術体験記ブログを読み直している。新兵が戦地に向かう不安を紛らすために帰国した兵隊のブログを読むようなもの。まあ、戦争ほどの危険も無いでしょうが。
ジョンQデンゼル・ワシントン