近況の報告

今年は例年に比べて涼しく(とは言え、この2−3日は蒸し暑いですが)、畑の夏野菜は1週間から10日ほど成長が遅れています。
 例年なら、春からの産卵の産み疲れと(日が延び、季候の良い春は卵を多く産みます)、鶏が苦手とする暑さが始まる5月末頃から我が家の鶏達の産卵が下がるのですが、今年は涼しいためか鶏達の産卵の落ち方は少なめです。
 いつも雛を購入していた千葉県の孵卵場が昨年の3.11の大震災で被災にあい、雛の導入が出来なくなり、私も「大震災、福島の原子力発電所の悲惨な事故」など不快な日常から心機一転したい気持ちもあり鶏種を変えて見ました。
 昨年の5月と9月の雛を、今までのボリスブラウンからMと言う鶏種に変えて導入しました。このM鶏は、昨年の11月と今年の3月から卵を産み始めて、今は農場で中心を担って卵を産んでいる鶏達です。
 が、その成績、卵の品質のあまりの悪さに頭を抱えています。
 今年の涼しい気候に恵まれ、卵は例年に比べて多めに産んでいるので何とか卵のやりくりしていますが、毎日これらの卵を見るたびに自分の浅はかな思いつきによる鶏種変更を恨み、反省させられています。
 通常ボリスの時は37−8gで来た初生の雛がMは5月の雛は35g、9月の雛は33g以下でした。初生で通常より1割以上体重が小さい雛は育てにくく、死亡する雛も多くでやすいです。幸いに季節に恵まれ何とかボリス並には育成できましたが、育てにくい寒い季節には問題が派生しそうな小さな雛でした。
 ボリスと比べて育成時の餌はやや多く食べるようです。初産日令も1週間から10日ほど遅いようです。
 我が家は大量に雛を飼っているのではないので、大手の養鶏場に比べて比較的雛に目が行き届きます。また、餌が少々多く食べてもあまり効率を求めない我が家では目くじら建てるような問題ではありません。まあここまでは何とか我慢できます。できました。
 問題の発生は卵を産み始めてからが大きかったです。
 成鶏になり卵を産み始めますと、ポツポツと死に始めました。マレックと言うウイルス性の鶏の癌です。Mはマレックに弱い鶏のようです。
 産卵はボリスに比べて平均2%程落ちるようです、その代わりと言いますか、餌は2%程多く食べます。働かず大飯食いです。そして喧騒性(虐めや喧嘩をよくして、他の鶏の羽などを抜いたりします)があるようです。
 直接消費者に卵を売っている私の農場にとって最悪だったのが、産み出される卵の大きさはバラバラ、卵の殻の色は真っ白に近い物もあり、全体に「赤玉」と言うには恥ずかしい色のバラツキです。そして極めつけは変形奇形の多さです。ボリスに比べて1割以上多く規格外の卵がでます。
 はかない期待と思いつつも、Mの後半の産卵成績に期待をしたのですが、より一層ボリスに比べて悪さが目立ちます。通常より早めに廃鶏に出すよりしかたが無い鶏のようです。
確かに、卵の殻の色で卵の味は変わりません、卵の形が少々変形でも卵の味には変わりがありませんが、にわとり屋のプロを自任している私には、ちょっと自信を持って売れない卵が多いM鶏の卵です。
 安直に鶏種を変更した自分が許せない日々です。
 M鶏は問題がありますが、季節や気温にも恵まれ鶏全体は順調な日々を過ごしています。
私の体調の方も「まず、まず」の日を過ごしています。気温は涼しく、私の体調もまずまずだと、ついつい仕事を頑張りたくなります。
 そして疲れから頭の芯が痛くなり、身体に湿疹が出てきます。ここで無理をやめないと発熱に繋がり、ステロイドのお世話になり、1ヶ月は寝たきりになり、2−3ヶ月は起きたり寝たりの日々を過ごすはめになります。
 今は湿疹が出ています。休みを取るサインのようです。
 「昔は出来たのに」と言う記憶は嘘なんですね。記憶は嘘をつくようです。