英国で奇跡 購入卵12個すべて二黄卵 確率100京分の1

アフロ 7月28日(木)20時28分配信
 英ミドルセックス州テディントンに住む17歳の学生トム・トセッティ君は、自分の目を疑った。購入した卵12個入り1パックのすべてが二黄卵だったのだ。
 トセッティ君は7個目から撮影を開始。もちろんこの後すべてが二黄卵だ。
 1つの卵から二黄卵が出る確率は1000分の1。12個連続となるとその確率は100京分の1だとされる。
 エッシャー大学で物理学と数学を学ぶトセッティ君は、毎週12個の卵を食べるという。卵はスーパーマーケット「テスコ」で購入した「フリーレンジ(放し飼い鶏)」卵だった。
 3年前にもイギリスに住むケイティ・ヘイコックさんが同じ経験をし、このニュースを報じた英デイリー・メールの電子版によれば「宝くじで1等を3回当てるのと同じくらいの確率」だというから驚きだ。

(イギリス、ミドルセックス州、テディントン、7月 映像:SWNS/アフロ)
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鶏の産卵期間を通して平均すると「二黄卵が出る確率は1000分の1」になるかもしれませんが、二黄卵は排卵がまだ安定していない産卵初期の鶏で多くみられ、だいたい数%(3−5%)ほどと言われています。 当たり前のことですが、二黄卵は同時期のたまごに比べて大きく、二黄卵をまとめてL卵、LL卵 で売ることがあります。ですからこのようなことはあまり珍しくもないですが「1個分の卵で2個食べられた、ラッキー」ぐらいには思って良いかと思います。

ゆっくり育てた鶏の肉、米企業が注目

動物の苦痛少ない畜産への需要高まる
By
KELSEY GEE

2016 年 5 月 11 日 11:00 JST
原文 (英語)
 米鶏肉業界は数十年にわたり、鶏の成長を早める方法を探求してきた。ところが今、一部の顧客は成長を遅くする生産者を探している。
 普通の肉用鶏は、50年前の約半分の期間で2倍の大きさに成長する。成長ペースの加速は、養鶏業者による費用節約と利益拡大が可能になったことを意味する。
 だが、ホールフーズ・マーケットやスターバックス・コーポレーションといった企業は今、ゆっくり育った鶏を使った商品なら高めの値段で売れると見込んでいる。

 成長の遅い家畜の肉への需要が増加していることは、動物の苦痛を抑えた、より自然な畜産や食品に対する消費者需要の高まりを反映している。
 農業経済学者によると、鳥類をゆっくり成長させる場合、屋外で飼うことが多く、鶏肉の値段は通常の2割増しから3倍になる。
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 食肉加工大手タイソン・フーズ傘下の育種会社コッブ・バントレスの幹部は「そんな金額を払って鶏肉を買おうとは思わない人のほうが多い」と述べた。
 世界の原種鶏供給の大半を占めるエビアジェン、コッブ・バントレス、仏系のハバードの3社は、生産コスト削減や鶏肉価格の低下に向け、体重が急速に増加する品種を重視してきたという。
 養鶏業者によると、過去に心臓発作や脚の奇形があったことから、そうした品種は心臓血管や骨格が強い品種と組み合わせる。
 ネスレやボナペティ・マネジメント傘下のコンパス・グループといった企業は、こうした選択的交配を何十年も続けたことが重大な病気などにつながったうえ、肉の風味が損なわれてしまったとみている。

 ハバードによると、ネスレのような企業は一部の市場で81日以上かけて育てられる「JA57」という品種に注目している。一方、エビアジェンの茶色い鶏「ローワン・レンジャー」など、成鶏になるまでに約56日かかる品種もある。これは、同社の従来種が同じ体重に成長するより2週間半長い。
一方、ホール・フーズは、精肉小売り用に成長の遅い鶏を開発するのに約8年かかるとみている。それには例えば、成長が1日当たり約50グラムという業界水準(グローバル・アニマル・パートナーシップ調べ)より約23%遅い鶏への入れ替えが必要になる。

 世界で流通する原種鶏のうち成長の遅いのは推定1〜3%と、現在のところごくわずかだ。
 企業の社食などで年間約1100万ポンド(約500万キロ)の鶏肉を使用するボナペティ・マネジメントは、成長の遅い品種の購入を増やせるかどうかを生産者と協力して検討しているという。
 エビアジェン、コッブ・バントレス、ハバードの3社は、顧客が成長の遅い品種への移行を望むのなら、原種鶏を供給する用意はあると話している。

短期間で成長させるブロイラーは異常な世界です。人間で言いますと4−5歳児の体重を7-80kgに成長させる世界です。心臓や骨格に問題が出てポックリ死んだり、自分の体重の重さで立てなくなる鶏もいます。 文中に「肉の風味が損なわれてしまったとみている。」とありますが、当たり前です。鶏の日令による細胞数は一定です。鶏は工業製品でなく神が作り出した生き物です。 それを4−5倍も早く太らせる(成長させる)と言うことは、細胞を水太りさせているだけです。風味や味なんて気にしていません。柔らかいですが。だからスパイスで味をごまかします。
鶏肉を大根や芋と煮込む和風料理には向かないと思います。我が家の廃鶏の方が何倍も美味しい鶏肉です、しかしブロイラー肉になれた人には細胞が締まっている我が家の鶏肉は堅いと言われます。「木の葉が沈んで石が浮かぶ」そんな世界です。

安い鶏肉は隠れたコストがあって実は安くない?!


4月24日付の英「ザ・ガーディアン」紙に、ザ・サステイナブル・フード・トラスト(持続可能な食物システムへの転換を呼びかけているイギリスの団体)の事務局長パトリック・ホールデン氏が、工場式畜産の安価な鶏肉は隠れたコストがあり実はまったく安くない、というコラムを寄稿している。

隠れたコストとは、養鶏工場が排出する汚染水やアンモニアガスなどによる公害の環境浄化費や、過密飼育で病気が発生しやすいために必須の伝染病対策費などである。
ヨーロッパではアニマルウェルフェアの観点から、バタリーケージ(金網でできた狭いケージに鶏を入れ何段かに重ねて飼育する方法)を禁止する国が1990年代から出始め(スイス、ドイツなど)、2012年にはEUが採卵鶏の飼育に従来型バタリーケージを禁止した。
アメリカでは、カリフォルニア州ですでにバタリーケージが全廃されたほか、マクドナルド、ハインツ、ネスレウェンディーズウォルマートなどがケージフリーの卵へ段階的に切り替えていくことを発表している。日本の採卵鶏は、2013年時点で生産システムにおけるケージ比率は約96%である。(出典:独立行政法人農畜産業振興機構「平成 26 年度畜産関係学術研究委託調査報告書」)
ホールデン氏はコラムで、養鶏に限らず、循環型の食糧生産システムを促進させるために、市民ができることを述べている。以下に、コラムの一部訳を掲載する。

(略)養鶏工場から出荷される安い鶏肉の価格には、環境汚染や自然資源の破壊、温室効果ガス排出といった公衆衛生に与えるダメージにかかるコストは含まれていない。それらを含めると、廉価な鶏はまったく安くないのである。
(略)われわれは、食物の大量生産によって生み出されているコストを、誤った農業政策の助成金や汚染水浄化費、国民健康保険料などを通じ隠れた形で、すなわち“税金”として払わされているのだ。
(略)われわれには変える力がある。環境のためになり人々の健康を向上させるやり方をしている農家だけに支援金を出し、化学肥料や農薬には(砂糖と同様に)課税し、より二酸化炭素の排出が少ない土壌管理を促進せよと、われわれは国に求めるべきである。学校、病院、介護施設の食事は、すべて地元で採れた持続可能な産物にすることを、われわれは主張すべきである。持続可能な食料事業への投資にかかる税金の軽減も提案できよう。最後に、食物生産従事者の生活費と安全な労働環境も確保すべきだ。
(略)こうした選択をすることは、われわれ誰もが自分と家族と地域社会のために求める、より公正で持続可能で健康な食糧システムを作る手助けになる。このことを例えば、当団体が作った「2匹の鶏の物語」という4分間のアニメをシェアして広めてもらうこともできるだろう。
投稿者:webDICE編集部

環境に配慮した農畜産物のコストの多くは消費者が負担されています。環境にダメージを与える農業、畜産業には税金をかけて、適正な税負担をさせるべきです。それが正義です。そのことにより両者の価格差は少なくなり、消費者の選択肢がふえ、環境改善につながるかと思います。

最近の読書

電子書籍の方が活字の大きさを変えられて私の目にも優しくよいのですが、「読む権利」だけしかないのに紙の本の値段に比べて高いです。精々数パーセント引きです、バナナのたたき売りのように「2割、3割、半値」といかないのでしょうか。また読みたい本が少なく、雑誌や漫画が多いです。これでは電子書籍は広がらないと思います。
で、すべて紙の本のご紹介です。

ヒトとイヌがネアンデルタール人を絶滅させた

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人類と家畜の世界史

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食糧と人類 ―飢餓を克服した大増産の文明史

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鶏の大型化に思わぬ弊害、「木のような」胸肉
ウォール・ストリート・ジャーナル 3月31日(木)10時52分配信

 高まる鶏肉需要を満たすべく鶏の大型化を追求する中で、食品業界は予期しなかった問題に突き当たっている。
 問題は十分に大きな鶏を育てることではない。鶏卵用ではない肉用のブロイラーでは、胸肉だけで数十年前の1羽分より重い鶏が増えている。ただ、こうした胸肉には硬い繊維質が含まれるものが増えており、食品業界は「木のような胸肉」と呼んでいる。人間の健康に害をもたらすものではないが、食感は落ちる。

 伊ボローニャ大学の食品科学者、マッシミリアーノ・ペトラッチ氏は「より硬く弾力があるので、この種の肉を噛むには多くのエネルギーが必要だ」と話す。
 同氏によると、米国やスペイン、英国、ブラジルなどでこうした状況が生じており、世界中で販売される骨なし胸肉の約5〜10%は「ゴムのように硬い」。
 こうした硬い胸肉の原因は分かっていないが、ペトラッチ氏をはじめとする研究者らは、数十年にわたって大型化と成長促進に重点を置いて鶏を飼育してきたことが一因ではないかとみている。
 米オーバーン大学のサシット・F・ビルギーリ名誉教授(家禽科学)は「最終的な体重は、どのくらい速く成長するかほど問題ではない」と話す。同教授は筋肉の異常について5年以上にわたって研究している。

 サンダーソン・ファームズやパーデュー・ファームズ、ウェイン・ファームズといった米鶏肉生産各社にとって、硬い胸肉はここ数年で直面している鶏の筋肉障害の一つだ。一方、消費者からは動物の生活の質向上や抗生物質の使用低減に向けた圧力が高まっている。
 業界アナリストらは硬い胸肉について、大幅な値引きを余儀なくされたり、消費者が小ぶりの鶏の飼育を求めることになれば、結局は生産者の売り上げを阻害しかねないと指摘する。
 米バージニア州リッチモンドのBB&Tキャピタル・マーケッツのアナリスト、ブレット・ハンドリー氏は、今は大型の鶏を販売するほうが利益が上がるが、今後は「利益が縮小する」可能性があると話す。
 同氏は、消費者が「木のような胸肉」は買いたくない以上、より大きな胸肉を生産する価値はあるのかと問いかける。その上で、企業利益への影響はまだ、数値化しようとするほど大きくないと思うと続けた。
 サンダーソン・ファームズのマイク・コクレル最高財務責任者CFO)は、同社は1年ほど前、レストランや消費者の苦情を受けてこの問題に気づいたと話す。同社は現在、食肉加工工場に、骨なし皮なし胸肉について「木のような胸肉」がないかを調べる従業員を置いているが、この問題に対処するコストはごくわずかだという。
 過去50年間に、米国で飼育される鶏の平均体重はほぼ倍増した。一方、鶏の体重を増やす時間は半分に短縮されている。1965年には3.5ポンド(約1.6キロ)の鶏を出荷するのに63日かかった。アグリスタッツと業界団体によると、2015年には飼育期間48日の鶏の平均体重は6.2ポンドだった。今では10ポンド以上の鶏を育てている企業も多い。
 若くなく体重の重い鶏ほど筋肉が硬くなる傾向が強まる。研究者や企業によると、この問題は生きた鶏では発見しにくく、食肉処理されて初めて表面化する。

 研究者たちによると、成長の速めた鶏が生物学的限界にさしかかってるのか、それとも、栄養や飼育方法の問題がこうした状況につながっているかどうかは明らかではない。
 オーバーン大学のビルギーリ氏は「鶏を『A地点』から『B地点』に育てるには複数のやり方があり、われわれは現在、その方法について協議している」と話す。同氏は異なる期間で鶏を飼育することに関する研究を監督している。「これは経済的に重要な問題なので、誰も肉の生産量を諦めたくはないが、こうした問題をコントロールしたいとも考えている」と語った。.
By KELSEY GEE

人間と鶏は違う生き物ですので、人間に置き換えるのは少々無理がありますが、わかりやすくするために鶏の成長を人間に置き換えてみます。育雛期間48日は人間で言いますと4ー5歳かと思います。生き物として未発達の鶏を食肉にしますから、鶏本来の味がしません。体重10ポンドは4.6kg。通常の大人の鶏の体重は2.3kgー2.7kgほどです。4.6kgを人間の体重に置き換えますと80-100kgほどになります。これだけ考えても異常です。自分の体重の重さで立てなくなるブロイラーも多いと言われます。かわいそうな鶏たち。

テストには絶対出ない! たまごの日本史
プレジデント社3月11日(金)7時30分
あまりに当たり前にそこにある。和洋中にエスニック、酒場でだって顔を合わせる。庶民には高嶺の花だったはずのキミ(と白身もね)。いつの間にか、こんなにそばにいてくれるようになった、卵の歴史を振り返ろう。

▼紀元前2世紀頃——日本に鶏がやって来た!
中国から朝鮮半島を経て伝わったという説が有力。日本最古の歴史書古事記』にも鶏が登場。天照大神が天の岩戸に隠れてしまうと、声を長く引いて鳴く鶏「常世の長鳴鳥」を鳴かせて朝が来たと思わせた。その長鳴鳥、なんと現在も飼育されている。尾羽の長い黒色の日本鶏「黒柏」とされ、天然記念物に指定。

▼676年——日本初の肉食禁止
仏教を厚く保護した天武天皇により、農耕期間に限って牛、馬、猿、犬、鶏の肉食が禁止される。そこには卵も含まれていたという。その後何度も肉食禁止令が 発布されているのを鑑みると、一朝一夕で肉食の習慣は改まらなかったよう。庶民は「鶏は大事な時告鳥」と称して飼育し、きじ肉と偽って食べていたという。

▼1100年頃——これが養鶏産業の元祖か!?
鎌倉中期から後期の軍記物語『源平盛衰記』に、こんな記述が。「京都の七条修理太夫信孝が白鶏を1000羽飼育し、後に4500羽に増えて、付近の稲田を荒らした」。早くも平安時代頃に養鶏産業の起こりの気配あり。

1800年頃——江戸時代、卵売りが登場
一般的に卵を食べるようになったものの、庶民にはまだ高価な栄養食。それでも町中には、天秤棒を担いで売り歩く卵売りが現れ出す。病人食として珍重される一方、「精のつく食べ物」としても重宝され、盛り場にはゆで卵売りが出現。特に花街の吉原では、血気盛んな男たちの人気を集めた。

1920年頃〜1950年頃——外国から種鶏の輸入が始まる
養鶏界もまさに文明開化。明治維新以後、今では一般的な白羽に赤いトサカの鶏、レグホン種が登場。ほか、アメリカ原産で卵肉兼用種の横斑プリマスロック種、赤褐色の身体堅強なロードアイランドレッド種などが輸入、品種の改良が行なわれ、卵用鶏の産卵能力が大幅にアップ。卵を得るために農家の庭先で鶏が飼われ始め、小規模の養鶏農家が増える。

▼1955年頃——家庭に卵が常備
従来の平飼い方式からケージ飼い方式へと、飼育方法の革命が起こる。鶏病の予防、飼育密度のアップなど劇的な改善で生産性がグンと向上! 配合飼料の改善によって餌の輸送が容易になり、郊外で大規模な養鶏場を展開できるようになった。

▼1975年頃——流通の救世主、GPセンターの完成
GPセンターとはグレーディング・アンド・パッキングセンターの略で、鶏卵の格付け(選別)包装をする施設。パック詰め、箱詰め、割卵や凍結液卵製造などに対応し、流通の実質的中心となり、スーパーマーケットをはじめとする卵販売の拡大につながった。

▼1998年〜現在——価格競争が熾烈化
養鶏農家による飼育方法の地道な改善、尽力により卵の生産が順調になった。すると、今度は低価格化が求められるように。差別化のニーズから「ブランド卵」も続々登場。ブランド卵とは、ヨードやビタミンを強化した「特殊卵」、あるいは鶏の飼育の仕方や飼料を差別化したものなどのことで、現在ではその数、1000種以上ともいわれる。

■卵の食べられ方の変遷

▼1300年頃
肉は食用に、鶏卵は食材や薬として利用されていた。古来、鶏は神聖な動物と見られていたが、室町時代になると、愛玩用の鶏が産んだ無精卵が孵化しないことから、「卵は生き物ではない」という考え方が広まり、卵を食べる抵抗感が薄れてきたという説がある。

▼1648年
江戸の料亭「扇屋」(東京・王子)が創業。折詰の厚焼き卵が評判を呼ぶ。江戸の町では卵料理が流行する。なかでも、1643年刊行の『料理物語』に出ている「玉子ふわふわ」が人気に。その内容は、煮立てただし汁に、よくといた卵を落として蓋をし、ふわっと膨らんだら出来上がり。

1800年
55人(!)もの子宝に恵まれたという、第11代将軍の徳川家斉。“秘伝の妙薬”と伝わる「卵の精」を飲んだおかげとも聞く。その正体とは、現在「卵油」といわれるもので、卵の黄身を長時間炒り上げて少量のみとれるエキスであった。

▼1870年
神戸、横浜、東京などで牛鍋(すき焼き)専門店の開業が相次ぐ。明治期の世相を聞き書きした『明治百話』には、牛鍋店の客が、女将に卵を所望する場面が出てくる。この頃には、牛肉を溶き卵にくぐらせる食べ方があったと推測される。

1920年頃〜
“究極の栄養ドリンク”的な存在として、生卵が庶民に広がる。庭先での放し飼いの養鶏が増え、病人食や虚弱体質の人の栄養補給として、新鮮な生卵を食べることができるようになった。

▼1955年
国策による「栄養改善運動」のため、卵、牛乳、乳製品など動物性タンパク質と油脂類の摂取を大幅に増やし、欧米化した食生活が進むように。

▼1960年
「巨人・大鵬・卵焼き」と謳われ、卵焼きが子供の大好きなものベスト3に。すぐ手の届く食材であり、うれしいおかずの定番であった。「卵を食べていれば健康になれる」という考えが普及し、卵酒、ゆで卵、温泉地名物の温泉卵などが一般的に。

▼1966年
1899年に誕生した牛丼の「吉野家」が、卵の販売を始める。生卵をかけ、牛丼をかっ込む働きマンたちの姿は、当時の「モーレツ社員」の象徴に。

▼1976年
独自の飼料や飼育方法などを用いて生産された特殊卵が人気を博す。この年、ミネラルの一種、ヨードを配合した「ヨード卵・光」が発売。卵がすでに安価となっていた当時、6個入り300円という高価格はむしろ衝撃を与え、健康志向の時代に先駆けた食品として注目を集めた。

▼1979年
マクドナルド」のメニューに、エッグマックマフィンが登場。その後も卵を用いたメニューが登場するが、時に国内の卵の在庫量が僅少になるほどの影響力があった。

▼2006年頃
たまごかけごはん、「TKG」ブームの到来。専門店が登場し、2000年頃からじわじわ登場し始めた専用醤油も生産が追いつかないほど。町おこしにもとり入れられるほどブレイク。

参考文献:『タマゴのソムリエハンドブック』(社団法人日本卵業協会)
(文・沼由美子)

廃棄食品横流し事件に思う

 プラスチック片混入のために廃棄するべきココイチのカツを、産業廃棄物処理業者・ダイコー経由でみのりフーズ食品、ブローカーと呼ばれる人たちの手を経てスーパーなどに横流しされた事件です。最悪の場合は食中毒などによる人的な被害も考えられる悪質な事案だと思われます。厳正な処罰を求めます。
 でも、この事件を違った視点で眺めますと現代の「歪な食流通」社会がかいま見られるような気がします。
テレビ映像からですが、テレビに映し出されたココイチのカツの断面写真には驚かされました。くず肉?と脂身の合成カツです。それもたっぷりと脂身を混ぜられた肉を、衣をつけて油で揚げた食品です。そのテレビ映像を見て「4万枚に1個の確率のプラスチック片の方が安全じゃないか。プラスチック片なら吐き出せるぞ」と不謹慎ながら思ってしまうようなカツでした。もちろん今回の問題とは別問題ですが。
 このようなカツを廃棄処分するにはどのような方法があるのでしょうか。産業廃棄物の方法としては大きく分けて、焼却処分、堆肥化して畑とうに再利用、畜産の飼料として再利用の3方法かと思われます。
 近年はできるだけ環境負担を考えて再利用が叫ばれていますが、畑も畜産も産業廃棄物の捨て場ではありません。油分が多いココイチのカツでは堆肥にも畜産にも再利用できません。(正確に記すなら、他の食品と混ぜて油脂分を薄めたら利用できますが、大変にお金がかかる方法です)
 焼却処分しか方法がないと思います。畑にも、畜産にも断られるものを人間が食べさせられています。
 産業廃棄物を焼却処分するにはトンあたり5−6万円かかるといわれています。ダイコーは他の産業廃棄物処理業者に比べて安い値段で引き取り(一説には1−2万円とも言われています)処理していたようです。この点だけでも、常識のある担当者なら「おかしい」と思うはずです。誰が被害者で、誰が犯罪者かわからなくなります。
 マルコメみそ、生協のマグロのカルパッチョなども畑にも畜産にも再利用しにくい食品廃棄物です。
 ダイコーは、再利用できないような産業廃棄物の「駆け込み寺」のような役をしていたようです。普通の社会人としての常識があればこのような会社には産業廃棄物を出さない、または流通経路を疑い確認すると思いますが。やれやれです。