食事でコレステロール値は変化無し! 1日何個卵を食べても問題無し 日本動脈硬化学会が発表  ゴゴ通信 2015.05.26 15:30

日本動脈硬化学会がコレステロール摂取量に関する発表を行った。その内容は「食事でコレステロール値は変化しない」というもの。よく言われるのは「卵は1日1個まで」と言われており、みんなも気にしながら食事していただろう。
今までの常識を覆すこの発表。これに伴い厚生労働省は4月改定の「食事摂取基準」でコレステロールの基準を撤廃。コレステロールは卵やレバー、イクラなどに多く含まれており摂取過多を制限するようにと言われてきた。
血中コレステロールの7割〜8割は体内で作られ、食事で多く取れば体内で作る量が減少し、食事でのコレステロール摂取量が少なければ体内で多く作られるようにコントロールされる。

コレステロール摂取量に関する声明
日本動脈硬化学会
2015年5月1日
最近、米国学会および行政機関よりコレステロール摂取に関わるガイドラインおよびレポートが発表された。すでに日本動脈硬化学会はコレステロール摂取に関わる見解を表明しているところであるが[1]、今回の米国での発表に接し、改めてコレステロール摂取に関わる日本動脈硬化学会としての見解を表明する。

2013年秋にアメリカ心臓病関係の学会であるACC/AHAが、生活改善のためのガイドライン「心血管疾患リスク低減のための生活習慣マネジメントのガイドライン」を発表した[2]。そこで、「コレステロール摂取量を減らして血中コレステロール値が低下するかどうか判定する証拠が数字として出せないことからコレステロールの摂取制限を設けない」との見解が出された。2015年2月に米国農務省USDAから一般国民向けに発表されたガイドライン作成委員会レポート[3]において、ACC/AHA同様、食事中コレステロールの摂取と血中コレステロールの間に明らかな関連を示すエビデンスがないことから、これまで推奨していたコレステロール摂取制限を無くすことが記載された。我が国の「2015年日本人の食事摂取基準」[4]では、健常者において食事中コレステロールの摂取量と血中コレステロール値の間の相関を示すエビデンスが十分ではないことから、コレステロール制限は推奨されておらず、日本動脈硬化学会も健常者の脂質摂取に関わるこの記載に賛同している。ただし、このことが高LDLコレステロール血症患者にも当てはまる訳ではないことに注意する必要がある。

卵と血中コレステロールとの関係は、約40年ほど前にアメリカの大学から出された「卵を食べ過ぎると血中コレステロールが上がる」という論文が(この論文はすぐ間違いとして取り消されたのですが)一人歩きして来ました。
「高コレステロールの卵を食べたら血中コレステロールも上がる」と言う単純さがうけたのでしょうか。やっと訂正です。