鳥インフルエンザ雑感

岡山の20万羽養鶏場で鳥インフルエンザが発生したようです。
 昨年末から、鳥取、島根、千葉、鹿児島などの野鳥や水鳥からH5N8亜型の鳥インフルエンザウイルスが確認され、宮崎、山口県の養鶏場でも鳥インフルエンザH5N8亜型が発病しています。鳥インフルエンザが日本で流行し始めています。
 昨年から世界的に流行している鳥インフルエンザはH5N8亜型と言うウイルスタイプです。数年前に『殺人ウイルス』などと、面白可笑しく週刊誌などで取り上げられていた鳥インフルエンザH5N1から変異しています。 
2013年頃から韓国で鳥インフルエンザH5N8亜型が猛威をふるい、冬以外の季節には発病しにくいと言われていた鳥インフルエンザ病ですが、韓国は年間を通して発病していて完全に鳥インフルエンザ汚染国になっています。韓国の鳥インフルエンザ汚染を考えますと、渡り鳥を通じて日本に鳥インフルエンザウイルスが入ってくるのは時間の問題と考えられていました。
そして昨年末から、韓国に近い九州や山口などで鳥インフルエンザが発生しています。
 「野鳥の侵入を防ぐために、ウインドレス鶏舎にしよう、養鶏場全体を防鳥ネットで覆いましょう」などと指導されていますが、現実的でありませんし、問題が多い方法と思います。
養鶏場を防鳥ネットで覆ったら、その防鳥ネットが野鳥の止まり木になりますし、落ち葉やゴミが網目を塞ぎ風通しを悪くします。ウインドレスは、、、問題だらけです。
「消毒して、鶏舎の衛生管理を良くして」もっともです、が。本当に野鳥から鶏に鳥インフルエンザウイルスが直接感染しているのか疑問です。
昨年から日本で鳥インフルエンザウイルスの発生養鶏場は、比較的大きく、衛生管理も行き届いていると言われる種鶏場などです。発病後の検査では「衛生管理に問題はなかった」と判断されている優良な養鶏場です。
これらの養鶏場に比べて、私のような零細養鶏場や、趣味で鶏を飼っている人の方が数十倍も多いと思います。不思議とこれらの人達から鳥インフルエンザの報告はありません。なぜでしょう?
1 これらの零細養鶏家は、鶏病の知識がないために気づかない
もしこの通りなら、鳥インフルエンザは日本中に蔓延してしまいます。
2 単なる偶然
あり得ますが、確率論では考えにくいです。
鳥インフルエンザウイルスは企業養鶏を好む
ウイルスに好みがあるとは思えません。
4 企業養鶏の鶏は薬漬けなので病気に弱い。健康な鶏は鳥インフルエンザには罹らない
一部の人達が好きそうな話ですが、あり得ません。その証拠に野鳥も鳥インフルエンザに感染しています。
5 高密度に鶏が飼育され、高濃度に鳥インフルエンザウイルスを浴びないと感染しにくい。
鳥インフルエンザウイルスは致死率の高い病気ですが、比較的感染力は低いような気がします。なんの裏付けもない私の思いつきですが。
自然界の野鳥でこの病気が流行しないのは、このウイルスの致死率の高さ故だと思います。鶏に比べて広い空間に生きている野鳥は、他の鳥にこのウイルスを感染させる前に自らの命がつきてしまい、自然界での鳥インフルエンザの流行を抑えているように思えます。しかし、水鳥はこの鳥インフルエンザに感染しても保菌はしますが発病しません。水鳥の鴨やアヒルと鶏が共存する中国や韓国ではこの鳥インフルエンザの流行を押さえられなかった大きな原因かと思います。
今回の岡山県の養鶏場は分かりませんが、日本で鳥インフルエンザの発生した養鶏場の近くには川や湖が有りました。そうです、水鳥が生息する湖の近くの養鶏場から鳥インフルエンザが発病しています。
 水鳥が養鶏場内に入り鶏にウイルスを感染させる?
今までの養鶏場の衛生管理体制や、設備等を考えたらそれは考えにくいです。
では?。鳥インフルエンザに汚染された水鳥の糞(ウイルス)を運ぶ小動物(ネズミ等)が一番疑わしいと私は考えています。
養鶏家にとっては気の休まらない冬です。