たまごのコレステロール(下)

 1913年にロシアの学者が草食動物のウサギに卵を与えたところ、大動脈にコレステロールが沈着して動脈硬化を起こした実験から始まり、その後、卵黄中のコレステロールの多さに注目した研究者が「卵は体内の血中コレステロール値を上げる」と報告したのが卵とコレステロールの問題の始まりのようです。
 その後多くの研究者が、実際に「卵を食べての臨床実験」を行いましたが、卵と血中コレステロール値の上昇との関係は証明されませんでした。
 「コレステロールの多い卵を、1日に数個食べてもなぜ血中コレステロール値の上昇が無いのか?(正確に書きますと、血中コレステロール値が上昇する人も、変化のない人もいます)」
 長らく疑問だったこの問題が90年代に解明されました。卵白内のオボムチン(卵白内のタンパク質です。これが卵アレルギーの原因になると言われています)がコレステロールを体外へ排泄する役を担っていたようです。
卵白は血中コレステロール、特に悪玉コレステロールを下げる作用があり、卵黄に含まれるレシチンという脂肪酸にも、コレステロールを低下させる作用があります。
 卵黄だけを異常に多く食べたりしなければ、通常は卵(卵白)が私たちの体内の血中コレステロール値を調整してくれるようです。「卵は偉い」。
 とは言え、コレステロール値の上昇には個人差がありますので、高脂血症等の病気の方はお医者さんの指導に従うべきです。
何はさておき、食べ過ぎには注意しましょう。粗食で小食が私たちの健康のためにも、この地球のためにも良いようです。
食べることが大好きな私には、悩ましい問題です。
猫の一日、食う、寝る、遊ぶ。寝るのにもあきたので、そろそろ遊びに行こうか。