夏の鶏

 全身、羽に覆われている鶏は夏の暑さに特に弱いです。ケージ養鶏では最高気温が33−34度ほどになりますと、暑さのため死亡する鶏も出ます。
 我が家のように平飼いの鶏は日陰に逃げたり、砂浴びしたりして暑さをしのぎ、ケージ養鶏の鶏と比べて体力的にも優れているため(同じ鶏種でも1割ほど体が大きいです)暑さのため死亡する鶏は稀です。
この地でも最高気温は38度ほどになったことがありますが、暑さのためで鶏は死んだことはありません。
「暑さのためで鶏は死にません」が、最低気温が25度以下にならない『熱帯夜』は鶏の体力を削ぎます。1−2時間でも20度前後の涼しい時間帯が1日のうちに在れば、鶏はその涼しい時間帯に餌を食べて体力を維持できるのですが『熱帯夜』になると極端に鶏の餌の食いが落ちてしまいます。
「餌の食いが落ちる」と鶏の体力が落ち、卵が小さくなり、産卵率が下がります。暑い夏の季節は他の季節と比べて約1割ほど産卵率が落ちます。
産卵率が落ち、卵が小さくなり、新鮮な卵でも白身が流れやすくなる夏はにわとり屋には気の休まらない季節です。
 少しでも鶏の問題を少なくするために、5月の末ごろから鶏の夏対策をはじめます。
 他の季節より少し多めの鶏を飼育して産卵率の下がった分の卵の数を補うようにします。鶏の体力維持のために餌の良質な蛋白質を他の季節より多くして、卵が小さくなるのを防ぎます。2−3日鶏の餌をとめて、鶏に軽く「飢え」を覚えさせると、通常より多く餌を食べるようになります。
 多めの鶏に良質の餌を給餌して、「飢え」の刺激により多くの餌を食べるようになった鶏たち、万全の体制で暑い夏を待ちます。
 例年なら35度を越すような猛暑もある6月下旬ですが、今年は涼しい梅雨の日々が続いています。   
この涼しさで産卵率は落ちませんし(他の季節より良いくらいです)卵も大きいです。
ちょっと卵があまり気味のこのごろです。
 涼しいほうが私にとっても鶏にとってもすごしやすいので嬉しいですが、このまま夏が終わるとも思えません。猛暑の前の一休みと思い、私も、鶏たちも体力維持に努めています。