TPPその2

日本がTPPに参加すると、日本の米農家が崩壊すると言われています。本当でしょうか?
 日本の米の需要は約700万トンほどです。700万トンから農家の自家消費米、縁故米、有機農業などの特定栽培米、魚沼産などの高級米を抜きますと、おおよそ500万トンがTPPの影響を受けると思います。
 現在、米の値段は1kgおおよそ300円ほどだと思います。300*500万トンで1兆5千億円ほどになります。TPP反対派が言うように、TPPに参加すると米の値段が半値になりますと、7500億円で500万トンが購入できます。7500億円の利益です。
 500万トンの米のうち、250万トンが輸入に置き換わるとして(250万トンも日本に米を輸出できる国があるかは不確かです)、残りの250万トンは規模拡大化した日本の米農家が生産することになります。規模拡大化した日本の米農家でも、今すぐに1kgで150円の米は生産できないと思います。
 規模拡大化した日本の米農家の生産原価を1kgあたり250円と考えますと、1kgあたり100円ほどの所得保障が必要になります。250円より安い生産原価の農家は利益がまし、より規模拡大して企業化が進むと思います。250円より生産原価の高い農家は倒産、廃業に追い込まれます。「焼肉定食」ではなく「弱肉強食」の世界です。
 上記の価格保証に2500億円が必要になります。中山間地での環境型農業を保護するために2500億円、消費者が2500億円、合計で7500億円になります。「三方1両得」です。
 日本がTPPに参加すると「食品の安全が脅かされる」と言う意見もあります。
 本当でしょうか?もし本当に「食品の安全が脅かされる」なら、日本の有機農業や、環境型農業が見直されることになります。努力して良い農作物を作る農家が見直されます。それはよいことだと思います。
 TPPに参加することは、農業経営に努力する人、環境に配慮する有機農業などが見直される切っ掛けになると言えませんでしょうか?