鶏の餌の配合(4)

 【糠類】
 ビタミンB群が多く、鶏の嗜好も良く値段の安い米糠は自家配合養鶏家には人気があります。しかし酸価が高く米糠油は変質しやすく、気温の高い夏場は発酵しやすいのが難点です。
 値段の安さに惹かれて米糠を3−5割も餌に混ぜる自家配合養鶏家もいますが、無知と言いますか、けちと言いますか、本末転倒になります。
 先ほども書きましたように、米糠には油脂分が含まれているために大量の配合は卵の白身を流れやすくして、鶏の産卵率を下げます。米糠の配合比率は安全を期すなら15%ほどが良いようです。
 麦糠は米糠に比べて栄養価も可消化率もおとります。
 その他にはビール粕や酒粕、醤油粕も鶏の餌として利用できますが、手に入りにくい、塩分が強いなどの問題を抱えていて、利用時には注意が必要です。

【動物性蛋白】
 「完全配合飼料」では肉骨粉が利用されていますが、鶏の共食いになり賛成できません。
良質な魚粉が良いと思います。時々安く出回っている肥料用の魚粉は品質にも疑問があり、サルモネラ菌等の細菌に注意が必要です。
 アラ(魚の内臓肉)は鮮度の維持が必要です。煮て脂肪分を捨てて利用します。大量に使うと生臭さが卵の黄身に移行します。
出汁をとったあとの削り節が「代替魚粉」として出回っていますが、魚粉として利用するにはアミノ酸バランスが崩れていますし、カビなどの品質に注意が必要です。
 
【無機質飼料】
 カルシウムはカキガラベースで5−6%で良いと思います。食塩、隣、マンガン等の微量なミネラル要素は養鶏の教科書では必要だと書かれていますが、平飼いで糠と良質な魚粉を使って餌を作っていれば特にミネラルを添加する必要はないと思います。
 我が家では食塩も燐も添加していません。
 
 【その他】
 緑餌は鶏の趣向性が優れていてビタミンの宝庫です。しかし緑餌の8−9割は水分で、粗蛋白などの栄養成分としては計算しない方が良いと思います。人間の食事での「野菜サラダ」と考えるのが無難です。
 納豆菌などの菌体飼料やニンニクや唐辛子、クンタン炭等はそれなりの効果があると思いますが、これらもあくまでも補助的な飼料です。季節、鶏の健康などを見極めて使ってください。
 鶏の産卵や成長を見ながら良質な餌を混ぜ合わせて、発酵させて鶏に給餌することをおすすめします。良質な発酵餌は鶏の腸内細菌を整え、腸を強くして鶏を元気に、そして栄養の吸収を良します。
餌の配合比、産卵率、卵重、気温は記録して残すようにします。(終わり)