鶏の餌の配合(2)

 現代の養鶏技術は、コスト面だけでなく鶏のコクシジューム病や圧死を防ぐためにケージ飼いを養鶏家が取り入れ、鶏の飼料製造には(要するに自家配合飼料です)それなりの経験と、知識・勉強が求められるために飼料製造の専門家が集まる飼料会社から「完全配合飼料」を養鶏家が購入するように進んできました。
 しかし人間の欲は鶏への愛情に勝り、ケージ飼育の技術や飼料製造の専門家の知識は鶏の自由と生き物としての権利を阻害するために利用され、必然的に鶏の産む卵の品質の劣化に繋ってきました。本末転倒です。
 上記からもわかるように「平飼い・自家配合養鶏」は「ケージ飼い・完全配合飼料養鶏」より養鶏の技術と経験が求められますが、多くの経験のある養鶏家は養鶏の規模拡大に走り、より生産性を上げるために「ケージ飼育、ウインドレス鶏舎、完全配合飼料」の道を進んできました。
 養鶏業の矛盾の隙間を埋めるように素人に近い方が反「ケージ飼育、ウインドレス鶏舎、完全配合飼料」と「平飼い・自家配合養鶏」を小羽数で始めています。
 養鶏の経験は長いが鶏や卵への思いをなくした企業養鶏家と、養鶏の経験は短いが鶏や卵への思いにあふれてる養鶏家のどちらに将来の希望があるかは明白だと思います。

 いつものことですが、本題に入る前の前置きが長くなりました。基本的な鶏の餌について考えてみます。
 我が家では鶏の育ち、産卵率、気温、卵の大きさ、卵の品質などに思い巡らし、鶏の餌の配合比はしょっちゅう変えています、私はそれが当たり前だと思っています。
鶏の体重、産卵率、卵重、春夏秋冬の季節の移り変わりとともに鶏が欲しがる(必要とする)餌は変わります。必要以上の高蛋白な餌は鶏に胸焼けを起こし、余計な蛋白は糞として排泄されます。蛋白が足らないときは産卵率や卵重、卵の品質を落とし鶏をやせさせます。
我が家の産卵鶏の餌は粗蛋白16%と2700kcalを基本として、産卵前期と後期2種類と、春秋、夏、冬の季節別3種類を掛け合わせた6種類です。(それぞれの餌を混ぜ合わせ、EMボカシで発酵させていますので、粗蛋白やcalはおおよその数字です)
 これらの6種類の餌の配合をもう少し細かく分けますと、産卵前期、中期、後期の3種類に分けられ、季節別は気温の高い順から盛夏(最低気温25度以上)、夏(20−25度)、春秋1(13−20度)、春秋2(5−13度)、冬(0−5度)、厳冬(0度以下)の6種類に分け18種類になります。(気温にはそんなに厳密ではありません、産卵率、鶏の体重、卵重の方を優先します)
 そのほかに鶏の卵重を見て餌の配合を微調整します。年に2−30回餌の配合比を変えています、餌に鶏を合わせるのではなく、鶏に餌を合わせるの正しい鶏の飼い方だと私は思います。趣味と私の好奇心で餌の配合比を変えている面も多々あります。(笑い)