鶏の一日と一生(1)

鶏の一日と一生(1)
 (この文は女子大生に「鶏とにわとり屋の生活」について話をするために用意した資料の一部です。今までに書いたブログから一部引用しています。)

 日の出の約2時間ほど前からせっかちな雄鶏が「コケコッコー」と暗闇に威勢よく鳴き、ちょっと近所迷惑な「ときの声」で我が家の鶏の1日は始まります。
 正確に言いますと、このときの「コケコッコー」は数羽の雄鶏だけの単発の儀式で終わり、鶏舎はまた静寂の闇に包まれます。「鳥目」(鶏は夜目がききません)の鶏が、真っ暗闇の中で「コケコッコー」と雄鶏にかけ声かけられても威勢もあがりません。
日の出とともに鶏たちはゆっくりと動きだし、ある鶏は水を飲みに行き、ある鶏は餌を食べ、睡眠不足なのか低血圧なのか止まり木で「ボーッ」と過ごす鶏もいます。
 朝風呂に入り(砂浴びをして)、恋を語る鶏もいますが、鶏たちの早朝は比較的ゆったりとすぎます。
6時頃になり、早い鶏は産卵の時間になります。鶏の年齢、季節により鶏の産卵時刻は変わりますが、朝の7時半から8時半頃が産卵のラッシューアワーです。
 鶏の個体差はありますが、鶏は産卵箱に入ってからだいたい10ー15分ほどで卵を産み、産卵箱を出ます。中には「パッ、パッ、パ」と1分もかけずに産卵をすます鶏もいますし、産卵箱の中で、前を向いて、後ろを向いて、落ち着かないので立ち上がり、産卵箱内の籾殻を平らにして、、、、と産卵にゆったりと時間をかける鶏もいます。
 だいたい10−12羽に1個の産卵箱を用意してあり、1個の産卵箱は2羽の鶏が一度に入ってもゆったり産卵できる広さが用意されています。
 人間が考える理屈上は「産卵のために混み合う」ことはないのですが、鶏にも産卵箱の好き嫌いがあるようで(中には縁起を担いで「私は右から2番目の産卵箱」と決めている鶏もいるかも知れません。「彼女と同じ所で産みたい」と「連れション」ならぬ「連れ産卵」の鶏もいます)、隣の産卵箱は空なのに4羽の鶏が同じ産卵箱内に入って押し合い、その産卵箱の前で「まだ、まだ?。まだ終わらないの」と産卵中の鶏をせっつくように産卵箱の前でバタバタと落ち着かない素振りで待っている鶏もいます。
 産卵が終われば後は自由な時間です。「一日の労働時間10分」、考えてみれば人間より幸せかも知れません。これが野鳥なら、害敵の危険の中で食料の虫や木の実を集めなければなりません、自分と子供の食べる分も。巣作りに、育雛、結構な労働時間になります。
「産卵が終われば自由」と言っても、外をトコトコ歩いていればカラスやノスリに殺されますし、鶏は空を自由に飛べるわけではありません。狸に狐、野犬にハクビシンと数え上げたらきりがないほど鶏の安全、安心を脅かす生き物がいます。人間と共存共栄と言いますか、人間に守られて鶏の自由と繁栄があります。
 我が家の雌鶏の自由時間の過ごし方はグループに分かれ(鶏はだいたい20羽ほどで一つのグループを作ります。20羽ほどの鶏の顔を区別できるようです)餌や地面の鶏糞を嘴でつっつき、足でかき回し「掘り出し物を探し」、嘴で毛繕いをして仲間や雄鶏と愛を確認して、暇に任して集団で弱い鶏を虐めに走り、お日様に当たり、砂浴びをして日中を過ごします。



鶏の一日と一生(1)
 (この文は女子大生に「鶏とにわとり屋の生活」について話をするために用意した資料の一部です。今までに書いたブログから一部引用しています。)

 日の出の約2時間ほど前からせっかちな雄鶏が「コケコッコー」と暗闇に威勢よく鳴き、ちょっと近所迷惑な「ときの声」で我が家の鶏の1日は始まります。
 正確に言いますと、このときの「コケコッコー」は数羽の雄鶏だけの単発の儀式で終わり、鶏舎はまた静寂の闇に包まれます。「鳥目」(鶏は夜目がききません)の鶏が、真っ暗闇の中で「コケコッコー」と雄鶏にかけ声かけられても威勢もあがりません。
日の出とともに鶏たちはゆっくりと動きだし、ある鶏は水を飲みに行き、ある鶏は餌を食べ、睡眠不足なのか低血圧なのか止まり木で「ボーッ」と過ごす鶏もいます。
 朝風呂に入り(砂浴びをして)、恋を語る鶏もいますが、鶏たちの早朝は比較的ゆったりとすぎます。
6時頃になり、早い鶏は産卵の時間になります。鶏の年齢、季節により鶏の産卵時刻は変わりますが、朝の7時半から8時半頃が産卵のラッシューアワーです。
 鶏の個体差はありますが、鶏は産卵箱に入ってからだいたい10ー15分ほどで卵を産み、産卵箱を出ます。中には「パッ、パッ、パ」と1分もかけずに産卵をすます鶏もいますし、産卵箱の中で、前を向いて、後ろを向いて、落ち着かないので立ち上がり、産卵箱内の籾殻を平らにして、、、、と産卵にゆったりと時間をかける鶏もいます。
 だいたい10−12羽に1個の産卵箱を用意してあり、1個の産卵箱は2羽の鶏が一度に入ってもゆったり産卵できる広さが用意されています。
 人間が考える理屈上は「産卵のために混み合う」ことはないのですが、鶏にも産卵箱の好き嫌いがあるようで(中には縁起を担いで「私は右から2番目の産卵箱」と決めている鶏もいるかも知れません。「彼女と同じ所で産みたい」と「連れション」ならぬ「連れ産卵」の鶏もいます)、隣の産卵箱は空なのに4羽の鶏が同じ産卵箱内に入って押し合い、その産卵箱の前で「まだ、まだ?。まだ終わらないの」と産卵中の鶏をせっつくように産卵箱の前でバタバタと落ち着かない素振りで待っている鶏もいます。
 産卵が終われば後は自由な時間です。「一日の労働時間10分」、考えてみれば人間より幸せかも知れません。これが野鳥なら、害敵の危険の中で食料の虫や木の実を集めなければなりません、自分と子供の食べる分も。巣作りに、育雛、結構な労働時間になります。
「産卵が終われば自由」と言っても、外をトコトコ歩いていればカラスやノスリに殺されますし、鶏は空を自由に飛べるわけではありません。狸に狐、野犬にハクビシンと数え上げたらきりがないほど鶏の安全、安心を脅かす生き物がいます。人間と共存共栄と言いますか、人間に守られて鶏の自由と繁栄があります。
 我が家の雌鶏の自由時間の過ごし方はグループに分かれ(鶏はだいたい20羽ほどで一つのグループを作ります。20羽ほどの鶏の顔を区別できるようです)餌や地面の鶏糞を嘴でつっつき、足でかき回し「掘り出し物を探し」、嘴で毛繕いをして仲間や雄鶏と愛を確認して、暇に任して集団で弱い鶏を虐めに走り、お日様に当たり、砂浴びをして日中を過ごします。