【注目の論文報告】卵の力を見直そう    

良質なたんぱく質で低カロリー、ダイエット効果も 
今、米国や英国を中心に卵の良さが再認識されている。卵には筋肉や骨の維持に欠かせない9種類の必須アミノ酸が含まれる。卵が「良質なたんぱく質を含む食品」といわれるゆえんだ。エネルギーの産生に必要なビタミンB群も多い。しかも卵は吸収が良いので、効率良くエネルギーに変換される。
 米国での研究によれば、胃腸で吸収されて体の組織に変わる率が卵白は100%、それに対して牛乳は91%、牛肉は80%、大豆は74%だった。卵は1個当たり約75kcalと低カロリーで、腹持ちがいいため、朝食に卵2個を加えた食事で、体重や腹囲が減ったとも報告されている。
 いいことずくめの卵だが、気がかりはコレステロールコレステロールが多い食品は、動脈硬化や心臓病につながる可能性があるとされてきた。ところが、卵の摂取は血中コレステロール濃度にほとんど影響しないことも、複数の研究を分析してわかってきた。
 家族に血中コレステロール濃度が高めの人がいる場合は、週に2〜3個にとどめておく方が無難だが、そうでなければ、食べる個数を気にする必要はないという。「バランスのいい健康的な食生活に卵は欠かせない」と研究者らはいう。日経ヘルス(ライター、八倉巻尚子)