新規就農 方法は?苦労は?

 今日(10月18日)の朝日新聞のbeの記事です。就農1年目にかかった費用は平均875万円です。比較的経費がかからない路地野菜なら467万円です。これが初年度の経費です。2年目から直ぐに黒字になるとは考えにくいです、その後も持ち出しが続くようです。このような多大な投資をして、新規就農で生計が成り立っている人は4割です。
 これらのデーターは「新規就農相談センター」の調査です。有機農業や自給的農業を目指して就農した人達のデーターは含まれていないようです。
施設園芸や酪農は初期に3−5千万円ほどの借金(親戚、両親が保証人になるようです)をして、新規就農を始める人が多いです。その結果、夜逃げ、自己破産、深夜のコンビニでのバイトなど悲惨な話が漏れ聞こえてきます。
 路地野菜は比較的資金が少なくて始められます。しかし、路地野菜は労働時間のバランスが悪く、収穫時には1日15−6時間ほど働く体力と根性が求められます。
 農業はサラリーマンとは違います。お金を投資して野菜や花を作っても、台風などの自然災害で全てが「パー」になり、何千時間働いてもその年の収入がマイナスと言うことがあります。作物の病気、相場に翻弄され、資材の高騰、不安材料を数えたらきりがありません。多くの企業が農業に参入して、その厳しさから撤退しています。ご注意下さい。
 農業者は基本的には経営者でもあります。資金力、技術力、営業力などが問われます。
 「リストラにあって農業でも」、残酷な言い方ですがリストラされた人が(企業が有用でないと判断した)経営者になれますか?
 「人と会うのが嫌いで」、自分の作物を自分で販売できないようでは、農業で自立するのは困難です。単純な農作業なら機械や中国人に負けるのが現状です。
はっきり言います、農業は儲かりません。どの業界にも数パーセントの人は儲かっていますが、その数パーセントに入れると考えて就農するのは危険です。それでも農業を一生の仕事として選択し、多大な初期投資をするなら不退転の気持で選択して下さい。「頑張れ、ガンバレ、がんばれ」です。