企業養鶏と反企業養鶏について (4)

 多くの先人達の努力の結果「自然卵養鶏、放し飼い養鶏、有機養鶏」の卵が「こだわりの卵」として消費者に認められるようになりました。
 「こだわりの卵」が消費者に認めら市民権を得ますと、長期の低卵価に喘いでいる一部の企業養鶏が鶏の環境を変えない(変えることができない)まま、少しでも卵を高く売るために小手先の宣伝に頼り、過剰包装、「薬事法に引っかかるのでは」と思わせるような過剰宣伝よる「こだわり卵」を売り出しました。このような『特殊卵』(「こだわり卵」)と呼ばれる卵の種類は日本中に二千近くもあると言われる迄になり、「百花繚乱に咲き乱れる世界」なら良いのですが、せいぜい「玉石混淆」と言う世界のようです。 
 勿論、企業養鶏の卵の全てが悪く、反企業養鶏の卵の全てが良いとは言えません。先ほども言いましたように「自然卵養鶏、放し飼い養鶏、有機養鶏」の個々の卵の品質の差は大きく、一定の品質は守っている(低位安定?)ものと思われる企業養鶏の卵と比べて劣る卵もあるかと思います。では「卵の良し悪し」とは何で決まるのでしょうか?
 「卵の良し悪し」を卵価で決めるなら、卵の販売価格で分かります。「意識的なずる」がない限り、産卵日や卵重も分かります。鶏への投薬は養鶏家を信じるか、卵の残留薬を検査しなければ分かりません。養鶏家の意識も変わりこの頃は、俗に言う「薬漬けの卵」は殆ど無いと私は信じています。これらのことはスーパーで1パック100円前後で特売されている卵も1個数百円もする高価な卵も同じだと思います。上記のことは鶏の飼い方より養鶏家のモラルが問われる問題です。
 では、『特殊卵』(「自然卵鶏、放し飼い養鶏、有機養鶏」の卵も分類上はここに入ります)の卵は普通の卵と何が違うのかと言う問題になります。
 健康な鶏から産み出される「味や栄養価に富んだ卵」と私は考えています。養鶏家のモラルが伴うことは常識とします。この当たり前の常識が通りにくいのも養鶏業界の常識のようですが。
 「味や栄養価に富んだ卵」は鶏の鶏種の違い、鶏に食べさせる餌の違い、鶏の飼い方、鶏に投薬する薬(鶏の健康状態)等によって違いが出ると言われています。
 産卵後の流通時の卵の管理の違いによっても品質に違いが出るとも言われます。