企業養鶏と反企業養鶏について(1)

先日、少羽数の鶏を飼っている知人から鶏の飼育方法について質問の電話があました。
その質問に対して「できるだけ丁寧に」と思い、事細かく説明しますと「俺の所は企業養鶏とは違うんだ。いちいち、鶏に食べさせる餌をそんな細かいこと迄気にしていられるか、七面倒くさい。儲けるために鶏を搾り取る近代養鶏と違い、できるだけ昔のように自由に鶏を飼い、昔のように栄養価が高く美味しい卵を作っているんだ」と知人は言いました。
 そのときは「ん?」と思いつつ電話での話しを終えました。「企業養鶏と違う」良く聞く言葉です、企業養鶏の何が悪いのでしょうか?
 「昔のように鶏を飼う」この言葉も良く聞くようになりました。「昔のように鶏を飼う」とはどの様なことなのでしょうか?そして「昔のように鶏を飼う」ことで栄養価が高く美味しい卵が生産されるのでしょうか?
 反対に、少羽数で鶏を飼う養鶏家を「趣味だ、素人だ、衛生管理の悪い卵を売っている、口先だけで卵を高く売っている」などと嫌う企業養鶏家も多いです。
 そしてこの頃は鳥インフルエンザの問題もあり、企業養鶏家は薬を使わず平飼い等の少羽数の養鶏場を敵視するようになっています。しかし日本の養鶏場で発生した鳥インフルエンザの殆どは、鶏を大規模に飼育してて、鶏病にも明るく、沢山の消毒薬を遣い、衛生管理が行き届いていると言われる企業養鶏場です。学者先生が推奨して、鳥インフルエンザに対して一番安全な飼い方だと言われるウインドレス鶏舎でも鳥インフルエンザに感染しています。
 企業養鶏は利益を求め大規模養鶏をすることにより、卵の品質にも変化がうまれてきました。そして自分たちに不利なこと(「黄身」と言われるのに「オレンジ色をした黄身」)を数と宣伝の力で、それがあたかも正しいかのように消費者に思い込みませてきました。その様な卵を、消費者は栄養価が高そうだと喜び、黄身に爪楊枝を刺しても倒れない、黄身を割り箸でもてる(これらのことは悪いことではありません)等と卵の品質(味や栄養価)とはあまり関係のないことで卵の良し悪しを判断して喜び、飼料にミネラル、ビタミン類を添加強化し、卵に移行させた卵を高く買わされます。ヨードや各種ビタミンを自分の身体に取り入れたいなら、サプリメントを購入した方が卵から間接的にとるより何十分の一の価格ですみます。