餌与えず2千羽余が餓死 恵那署が元養鶏業者を書類送検

2008年3月15日 中日新聞
 恵那市明智町の養鶏場で二月、大量の鶏が餓死していた事件で、恵那署は十四日、動物愛護法違反(愛護動物の殺害・傷つけ)の疑いで、同町、元養鶏業の無職の男(57)を書類送検した。調べで、男は昨年十一月十一日ごろから同月下旬ごろまで、養鶏場内の鶏二千九十二羽に餌を与えず放置し、愛護動物を殺した疑い。
 男は採卵のために養鶏業を営んでいたが、卵が売れなくなったことから資金繰りが悪化。このため餌を与えなかったという。餓死した鶏は当初約九百羽とみられていた。今年二月、養鶏場に隣接する男宅を訪れた人が大量の鶏が死んでいるのに気付き、発覚した。

 上記のニュースは、餌を与えなかった11月の時点で900羽が餓死して、その後2千羽余りが餓死したと言うことなのでしょうか?一寸分かりにくいニュースです。
 悲しさを通り越して、呆れかえるニュースです。
世界的な穀物価格高騰により、鶏の餌代が毎月のように値上がりしています。百万羽以上の大規模養鶏場でも「赤字」と言われている昨今、飼料や資材の購入費が大規模養鶏場に比べて高い中小の養鶏場の「黒字」経営は不可能と言われています。
養鶏家にお金を貸していた(養鶏業のような不景気産業には銀行はお金を貸しません)飼料メーカーにも余裕が無くなり、養鶏家の借金の清算に走っているようです。そのためか「家屋敷を取られた、夜逃げした、自殺した」などと不幸な養鶏家の話が、とみに多く聞こえてくるこの頃です。
上記のニュースの57歳の男も、借金苦から精も根も尽き果てたのかも知れません。養鶏業界の現状から自暴自棄に陥る養鶏家も多いとは思いますが、にわとり屋が鶏に餌を与えないで餓死させてはいけません。動物愛護法違反(愛護動物の殺害・傷つけ)以前の、当たり前のことです。