オーガニックと大量生産の鶏肉、味の違いなし=豪調査

2008年 03月 4日  [シドニー 3日 ロイター] 
 オーストラリアの食品の専門家らによると、オーガニックで育てられたニワトリと大量生産型の養鶏場のニワトリとの間に、肉の味の面では違いがないことが分かった。豪消費者団体「チョイス」が専門家4人に、オーガニック2種、放し飼い2種、コーン肥育1種、通常の養鶏3種のニワトリを素材にしたローストチキン8種類を試食してもらったところ、味の違いが分からなかった。チョイスは声明で「大きな違いはなかったが鶏肉に昔ほど食味がないという点では全員が一致した」としている。同団体によると、2キロの鶏肉を生産するのにかける日数は1960年代以降、70日間から40日間前後に約半減している。一方、オーガニックの基準では63―70日間かけて成長させることが定められている。

細かな餌の配合が分からないので評価しにくいのですが、「納得」と言うのが上記のニュースを読んでの私の素直な感想です。「オーガニック」は鶏に食べさせる餌を有機飼料にして、鶏肉の「味」より「安全、安心」に重きを置いた鶏の飼い方です。もし通常の餌に農薬や抗生物質が混入していても、それらにより鶏肉の味が変わるとは考えにくいです。 鶏に給餌する餌が「オーガニック」のトウモロコシでも、通常生産されたトウモロコシでも鶏の肉の味は変わらないと言うことです。これらの味覚の違いが人間の舌で分かるようになれば、今回の毒ギョーザ事件や昨年来の食品偽装問題は簡単に解決されるます。
基本的には鶏肉の味の違いは「飼育日数」「鶏種」「飼い方」「餌の配合」で決まります。 同日令の鶏の細胞数は変わりませんので、40日で肉にすると言うことは「細胞を肥大化」したと言うことです。その肉を「ジューシで軟らかな肉」とも「水ぽい、味のない肉」とも言います。
 鶏本来の味が肉に出てくるには、4ヶ月以上の飼育が必要だと言われます。また、鶏種により若干味の違いがあるようです。同じ日数の飼育でも、放し飼いされた鶏の肉の方が締まっていて、それでいて筋っぽく無いと言われています。餌の配合により鶏をゆっくり育て、肉の味に深みを出すことも出来ます。
 肉の味にかかわらず、塩味で楽しむ鶏の唐揚げは「肉の軟らかいブロイラー」を推奨します。大根やジャガイモとの煮込み、水炊きなら、鶏肉本来の味を楽しめる「地鶏」や「廃鶏」をお勧めします。料理によって鶏肉を使い分けてください。