「米の作りすぎは、もったいない!」に農家反発

2月25日20時22分配信 毎日新聞
 東北農政局が作った「米の作りすぎは、もったいない!」「米の過剰作付けは、資源のムダづかい」というポスターに対し、地元の農家が「一生懸命米作りをしている農家の誇りを逆なでしている」と激しく反発。東北6県の農家約6000戸でつくる東北農業農民団体連絡協議会が25日、同局に文書で抗議するとともにポスターの回収を求めた。「米の生産調整」への理解を深めてもらおうと局内で文言などを検討し、3万枚作製。今月から東北地方の農協などに張り出された。「MOTTAINAI」という文言付きで、「麦・大豆等へ転作し、自給率を向上」「限られた水田を有効利用することが、国民共通の利益」などと呼び掛けている。抗議文は「過剰なのは輸入米で、外米に血税をつぎ込むことこそムダづかい」と指摘。連絡協議会の佐藤長右衛門会長は「高齢化が進む農村では、米作りを続けることが心の支え。カラー印刷で3万枚作成する金があれば、もっと他の施策に使うべきだ」と話した。同局は「米価下落で生産調整が緊急の課題。決意の表れとしてインパクトのある言葉を選んだ。誇りを傷つける意図はない」とし、ポスター撤去などの予定はないという。【青木純】


このような問題はどの様に考えたら良いのでしょうか。「米の作りすぎは、もったいない!」「米の過剰作付けは、資源のムダづかい」・・・日本の農業は生産物エネルギーの2−3倍のエネルギーを、作物を生産するために使っていると言われます。「資源の無駄遣い」などと品の無い言い方はしませんが、未来永劫に渡り続けられる食料生産とも言えないのが現状です。ただ米で「資源の無駄遣い」なら、技術も土地条件も米に比べて劣る東北農政局の推薦する「麦、大豆」生産は、より大きな「資源の無駄遣い」になると思います。
 農民に「麦・大豆等へ転作し、自給率を向上」を訴えるなら、農家が生活できる価格で買い上げれば、米の価格の低下で悩む農家は麦、大豆に転作します。水田の土地条件を改善して、若い農家が未来に夢を描けるような価格で麦や大豆を安定的に購入すれば、自給率は向上します。
 「麦・大豆等へ転作し、自給率を向上」の為の補助金は「もったいない、公費の無駄遣い」の東北農政局の解体でおつりが来ると思います。
勿論、農家も次の世代のためにも「高齢化が進む農村では、米作りを続けることが心の支え」と農業をとらえるのか、農業を産業ととらえるのか、整理する必要があると思います。