卵油を作る

 卵油の起源は平安時代とも奈良時代ともいわれ、治療薬として重宝されてきました。
 卵が貴重だった江戸時代、54人もの子宝に恵まれた徳川十一代将軍家斉は「当時のバイアグラ」として徳川家秘伝の卵油を服用していたという話もあります。
 昭和になり『赤本』(下記参照)により全国的に「卵油」は知れ渡るようになりましした。
卵油の主な成分は、レシチン、ビタミンE(トコフェノール)を豊富に含み、血液の循環を良くして、昔は「心臓病の薬」などと言われてていたようです。
《赤本・・・ 大正14年発行・築田多吉著『家庭に於ける実際的看護の秘訣』のことです。当時は全国的に普及し、一家に一冊必須の家庭医学・看護のバイブルといわれ、以後実に1600版を重ねました。》

卵油の作り方
 用意する物・・・・ガスまたは電気コンロ、土鍋、茹でた卵を潰すポテトマッシャー、オリーブターナー(攪拌へら)、濾過用の網、軍手。
 卵油作りの後半に黄身の焦げた臭いの強烈な煙が出ますので、簡単に洗える作業着に着替えて、頭には帽子を被りましょう。卵油の煙の臭いが後々まで残りますので野外で行うのがよいと思います。
(1)卵をゆでて黄身だけを取り出します。卵油内に金属の溶け出しを気にするなら、鉄やアルミを避けて、土鍋がよいと思います。
卵の黄身1個から約2−2.5mlの卵油がとれますが、黄身の数が少ないと抽出された卵油が鍋に付き、とれる油が少なくなります。
 30個ほどの黄身を(下記の写真は黄身が約100個です)まとめて炒めた方が効率がよいです。

(2)ポテトマッシャーで黄身を潰します。その後火にかけてただひたすらターナーでかき混ぜて焦げ付かないようにします。(焦がして黄身の中のレシチンを抽出するのですが、初期に焦がしますと出来上がりの品質が良くないです)
 小一時間もしますと黄身の中から卵油が出てきます。

(3)その後10−20分で、黒々とした卵油と粕に分かれますので火を止めて、油を網でこして出来上がりです。
 この最後の時に、臭い黒煙が「モウモウ」とでます。また油が跳ねたりして火傷をすることがありますから注意が必要です。
市販されている健康飲料水より身体に良いと思いますので、卵油を作ってみてください。