(20)首都リロングウェ市内で

 マラウイ最後の1日は、オールド・タウン(多くの市民が集まる庶民的な地域)へ行き、日本の土産にチテンジ(マラウイの女性が腰に巻く布きれ)、木彫りを買って、市内観光で時間を過ごします。
 市内をブラブラと歩いていると、街の景色の何かが気になります。
 街を歩く人達を見ていますが、煙草を吸っている人をあまり見かけません。
 街には、煙草の吸い殻も落ちていません。勿論、リロングウェは禁煙宣言都市ではありません。
 マラウイの主な輸出品は煙草と紅茶です。煙草は一番外貨を獲得しているようです。煙草が主な輸出品の国マラウイで喫煙者をあまり見ません。
 エイズマラリアで平均寿命が下がり、このごろではマラウイの平均寿命は36,7歳と言われています。喫煙者が少ないのは、健康のためと言うよりの経済的問題のようです。
 20本入りの煙草は、安い物で60円程から最高級品が私が吸っている煙草で160円ほどです。
 1日100円から200円の収入の労働者には、煙草は高嶺の花の趣向品です。街中では煙草はバラで売っている店もあり、ニコチン愛好者の助けになっているようです。
 オールド・タウンには、果物、野菜、ラジオを中心とした電化製品、生きた鶏、使い古しのビニール袋、『再生油』と言う噂の変色した食用油、ブリキのバケツ、靴、あらゆる生活物質が道を挟んだ露店で売られています。
 そして衣類。ジーパンにTシャツ、子供用や大人用の衣類が山に積まれて売られています。
 噂によりますが、アフリカのどこかの国に援助用に送られた衣類が政府の役人により横流しされ、回り回ってマラウイの露店まで流れてきているようです。そして値段が安いのです。
 マラウイでは第2次産業は皆無に近く、運の良い(頭が良くお金があり、教育を十分に受けられる、親類に権力者がいる)僅かな人達が公務員になり、商才のある人が物売りになり(殆どインド系の人達)、残りの多くの人達は(一説には全体の8−9割と言われます)農林漁業だと言われます。
 『農林漁業』に括られた失業状態の人も多いようです。
民族の衣服文化を残すためにも、小さな村々に仕事を(小資本で多くの人を雇える縫製業など)作りだすためにも、古着の代わりにその運賃でミシンや縫製を指導する人を送り、アフリカの、マラウイの人達が自立する手助けをすることが私達がするべき『援助』だと思います。
 「古着の援助、反対」です。