中国 H7N9型鳥インフル 新たに304人感染

2月21日 5時35分 NHK
WHO=世界保健機関は、中国で、先月中旬から今月にかけてH7N9型の鳥インフルエンザウイルスに感染した人が新たに304人報告されたと発表し、生きた鳥を扱う市場などにできるだけ近づかないことや、手洗いなどの対策を徹底するよう呼びかけています。
WHOは20日、中国で感染の報告が相次いでいる、H7N9型の鳥インフルエンザウイルスの最新情報を発表しました。
それによりますと、先月19日から今月14日までに、江蘇省浙江省、それに上海や北京など10以上の都市や地域で、3歳から85歳までの合わせて304人が新たに感染し、このうち少なくとも36人が死亡し、84人に肺炎などの症状が確認されたということです。
304人のうち144人については生きた鳥などとの接触がわかっていますが、11人は接触がはっきりと確認されず、残る149人についてはまだ調査中だとしています。
WHOは現時点では「ヒトからヒトへの持続的な感染が起きているという証拠はない」として、渡航の制限などを求めていませんが、去年10月からの感染者の数は400人を超えたとしています。
このため各国に対し、監視の徹底とともに、渡航者に対しても、感染が報告された地域で生きた鳥を扱う市場などにできるだけ近づかないことや、手洗いなどの対策を徹底するよう呼びかけています。





中国首相が鳥インフル対策強化を指示 ヒトへの感染急増で2月24日 5時38分NHK
中国の李克強首相は、国内でH7N9型の鳥インフルエンザウイルスに感染する人が急増していることを受けて、鳥の飼育場の検疫や医療体制の強化とともに、正確な情報公開を徹底するよう関係機関に指示しました。
中国では先月、南部や東部を中心に192人が、H7N9型の鳥インフルエンザウイルスに感染し、79人が死亡したほか、今月に入ってからも感染が増え、少なくともさらに8人が死亡しています。
国営の新華社通信は23日夜、感染者の急増を受けて李克強首相が全国の衛生当局や自治体などに、対策を徹底するよう指示したと伝えました。具体的には、養鶏場など、鳥の飼育場の検疫や消毒を強化し、感染が確認された地域では、生きた鳥を扱う市場を速やかに閉鎖することや、感染者には十分な薬を供与するなど医療体制の強化を求めたとしています。
また、正確な情報の国民への迅速な公開も指示していて、2003年に北京などで、新型肺炎「SARS」の感染が拡大した際、情報不足から不安をあおるようなデマが広がったことを教訓に、社会の混乱を防ぐ狙いもあると見られます。