鳥インフルエンザH10N8のヒト感染について、中国研究者らが報告を発

鳥インフルエンザH10N8のヒト感染について、中国研究者らが報告を発表
  2014年02月19日 
中国の研究者らがLancet誌に寄稿

中国では今年に入り、H7N9型鳥インフルエンザウイルスのヒトへの感染が拡大し、死者も出ていることから衛生当局は警戒を強めている。また毒性の強いH5N1型やH9N2型など、別ウイルスの感染もみられ、世界的な流行への注意喚起が続いている状態だ。
こうした中、中国のNanchang City Disease Control and PreventionのHaiYing Chen氏をはじめとする研究者らによる鳥インフルエンザウイルスA/H10N8型のヒト感染に関する報告がLancet誌に2月5日付で掲載された。発表によると、同ウイルスへのヒトへの感染についての詳細な研究および報告は初めてだという。

H5N1型などと同じ遺伝的基盤
H10N8型ウイルスに感染したのは、江西省南昌市の73歳の女性で、2013年11月30日に医療機関を受診し、発症9日目の12月6日に多臓器不全で死亡した。女性は家禽市場へ出入りしていたことが分かっている。
研究者らは解剖検査を行い、重症筋無力症や神経筋障害といった症状の発生を認め、インフルエンザウイルスが死亡の直接的な原因となった可能性が高いと判断している。そして、この女性から鳥インフルエンザウイルスA/H10N8の遺伝子再集合を確認した。
その結果、H10N8型ウイルス株には、H9N2型の8つの遺伝子のうち6つが含まれていることが判明したという。H9N2型ウイルス遺伝子は、H5N1型ウイルスのほか、H7N9型ウイルスの遺伝的基盤となっており、この新型ウイルスであるH10N8型が世界的に流行する可能性を過小評価すべきでないと報告している。この発表が行われた2月6日までにヒトからヒトへの感染は確認されておらず今後の流行発生に関する予測はできないが、人への脅威となりうるウイルスであることをこの研究結果は示しているとし、持続的な監視が必要であることを訴えている。(紫音 裕)


鳥インフルエンザウイルスも色々なタイプが出てきて何がなんだか分からない状態になりつつあります。
数年前まで騒がれていたH5NIは今でもベトナムなど多くの国で被害を拡大しています。
隣の韓国ではH5N8型ウイルスが流行して、多くの被害を出しているようです。