古代ゾウの頭骨化石、常陸大宮で高校生発見 1650万年前の地層

2011年12月16日(金)茨城新聞
ミュージアム県自然博物館(坂東市)は15日、水戸市内の私立高校に通う男子生徒が常陸大宮市内で、1650万年前の古代ゾウの頭骨化石を発見したと発表した。今回初めて頬の骨が確認されるなど、頭の骨格がほぼ完全に残っている状態は珍しく、同博物館の専門家は「保存状態が良く、当時生息していたゾウの実態や進化を知る上で、世界的にも貴重な資料」と高く評価している。
発見したのは、同博物館のジュニア学芸員で、水戸葵陵高校2年の星加(ほしか)夢輝(ゆめき)さん(17)=常陸大宮市在住。星加さんは今月11日午後、個人研究の一環として同市内の崖地を地質調査した際に、地層から一部が露出している化石を発見した。
星加さんから連絡を受けた同博物館と茨城大学のスタッフが調査したところ、古代ゾウ「ステゴロフォドン」の頭骨化石と判明。臼歯5本、牙1本(長さ26センチ)も見つかった。頭骨の大きさは牙の根元から頭頂部までの長さが約60センチ、頭の高さが約30センチ。約1650万年前にできたと見られる地層に埋まっていた。
同博物館の國府田良樹副参事兼資料課長は「(古代ゾウの)全長や頭の構造を解明するなどさまざまな研究に役立つ」と高く評価。茨城大学理学部の安藤寿男教授も「同時期の東アジアのゾウについて、初期進化の実態が読み取れるかもしれない」と期待する。
同博物館は発掘作業を進め、作業が間に合えば来年1月9日まで開催している企画展「恐竜発掘-過去からよみがえる巨大動物-」で一般公開したい考えだ。

【ステゴロフォドン】
日本では約1700万〜1600万年前に生息していたゾウ類。暖かい気候に生存していたとされる。これまでに山形、宮城両県で頭骨、福島、富山、石川、長崎各県で臼歯などの化石が発見されており、本県内では1956年に常陸大宮市内で臼歯、88年には現・城里町で左下顎の骨の一部が確認されている。


ムラの高校生の大発見です。土木作業中に1億数千年前の化石が発見されたりと化石のでやすい地域のようですが、私のような門外漢には「猫に小判です」。