鳥インフルエンザについて・・・・まりもさんへ(1)

高病原性鳥インフルエンザ(別名 家禽ペスト)は1924年の千葉県で感染したH7N7型を最後に約70年間日本では発生せず、私も名前は知っていましたが香港で発生するまで「過去の病気」と思っていました。 
 今回問題になっている高病原性鳥インフルエンザH5N1は1959年にイギリスで感染したのが初めてと言われています。その後1991年に、同じくイギリスの七面鳥で発生していますが、世界的な流行には至っていませんでした。
 H5N1の今回の世界的な流行は、2001年の香港での感染からと言われています。(4年前の1997年に香港でH5N1インフルエンザで6人の人間が亡くなっています。その為、この高病原性鳥インフルエンザH5N1はそれ以前から香港、中国で流行していたのではと噂されましたが、真偽のほどはわかりません)
 その後このH5N1インフルエンザウイルスは世界的に流行して2004年には日本でも発生しました。ウイルスは生きた細胞内でしか増殖できません。このH5N1インフルエンザウイルスは致死率が高いためか、思いの外自然界での感染の拡大は防げたようです。(ウイルスは生きた細胞内でしか増殖できないため、ウイルスの宿主を殺すことにより自分たちの増殖が抑えられる)
 インフルエンザウイルスの本来の宿主はアヒルや鴨などの水鳥と言われています。アヒルや鴨は高病原性鳥インフルエンザウイルスでは死にません。アヒルや鴨はこのウイルスを体内で増殖して、排泄して鶏や野鳥、ネズミなどの動物に感染させます。
 アジアの多くの国々ではアヒルや鴨などの水鳥と鶏や豚、人間などが混住している国が多く、高病原性鳥インフルエンザウイルスH5N1の流行を防げないで今日まで来ています。そして人間への感染、死者まででております。
 しかし、鶏の卵や肉を食べて、人が鳥インフルエンザに感染した例は世界でも報告されていません。
 鳥インフルエンザウイルスは、人への偶然の感染を繰り返すうちに、人の体内でヒトインフルエンザウイルスと遺伝子が交じり合うことがあり、その結果人から人へ感染できる遺伝子を獲得した「新型インフルエンザウイルス」が出現する可能性が出てきます。
 1968年に出現した香港風邪(H3N2)は、カモに運ばれたウイルスが中国でアヒルに感染、ブタへ、ブタの体内で人のウイルスと交じり合って誕生した、と考えられています。