鶏の餌の配合(3)

「少ない餌でより大きな卵を、多くの卵を」と品種改良の名の下で年々鶏の性能は変えられています。このように変化の激しく精密機械のように品種改良された鶏を自家配合の餌で飼うにはそれなりの技術と経験が養鶏家に求められます。
 基本的な鶏の生理や飼養標準を学び、覚えなくてはなりません。しかし粒、粉などの与える餌の形状の違いによる消化率の違いや、熱を加えるなどの加工状態の違いによる鶏の消化吸収率の違いもあり、養鶏の教科書に載っている餌の祖蛋白率やカロリーにとらわれすぎるのも問題です。経験と試行錯誤の勉強が必要です。

【穀類】
 餌の配合の約6割ほどを占める大切な食べ物です。人間で言う主食です。
 主に輸入トウモロコシが穀類として鶏の餌に使われ、日本では人間の主食として流通される米や小麦は鶏の餌としては値段的に高く利用しにくいですが、等級外になり人間の食用にならない米や麦の一部が自家配合用に使われています。粉砕して利用します。
 我が家では季節や鶏の状態により変わりますが、トウモロコシが1−2割、麦系が4−5割ほどが基本です。
 また、酒造メーカーから出る「白糠」(米粉と糠の中間物)は消化吸収率が良く、利用価値は大です。
 鶏の消化吸収率の低い大麦は使わない方が良いと思います。
 米や麦にはトウモロコシのようにカロチンはなく、黄身の色素減に注意が必要です。

【植物性蛋白】
 餌に5−10%配合される大切な食べ物です。鶏には主に大豆粕(大豆から油を絞った物)が利用されています。我が家では卵の風味や遺伝子組み替え等を考え、ゴマ粕を利用しています。
 菜種粕は粗蛋白率が高いのですが、鶏の可消化率は低く牛や豚の餌として利用されたり、畑の肥料として利用されます。
 おからも鶏の大切な植物性蛋白ですが、水分を多く含み保存が難しく夏場は特に腐敗に注意が必要です。