鶏の一日と一生(4)

 養鶏場でこのような1日を過ごす鶏の寿命は約10ー15年ほどと言われています。
 しかし鶏の経済動物としての寿命はケージで飼い約1年半、我が家でも2年半から3年ほどです。鶏の産卵率は経済的には問題ないのですが、現代の鶏は産卵過多のため?卵質の悪化が早く、卵の商品としての価値が落ちてしまいます。
現代の改良された鶏は年間250−300個近くも卵を産み(1年間で鶏の体重の8−9倍の重量の卵を産みます)「卵の素(卵巣)が無くなるのでは?」とちょっと心配になりますが、鶏の卵巣は、肉眼で確認できる数は2千個ほど、顕微鏡では1万個ほどの卵を確認することができ、鶏の寿命から考えますと「卵(卵黄)が無くなる」心配は無用のようです。
 鶏の体内にある小さな卵巣が7〜9日かけて次第に大きくなり、成熟すると(皆さんが見ている黄身と同じ大きさ)卵管へ排卵されます。
 卵管の入り口で待っていた?精子と一緒になり、その後、卵黄に卵白がくるまります。卵黄が排卵されてから3時間半ほどの出来事です。
 次に外側に1時間ほどの時間をかけて卵殻膜ができ、最後に18−22時間ほどをかけてゆっくりと石灰質の沈着により卵殻(カラ)が作られ、最後の30分ほどで色素(赤玉の色素です)沈着されます。
 その後クチクラ(卵の外側に塗られた膜です。この膜が卵内への細菌などの侵入を防ぐ役割をします)が分泌され、体外へ放卵されます、産卵です。
鶏が卵を産むために要する時間は24−26時間になります、鶏により個体差はありますが最低でも24時間以上はかかります。鶏は1日に2個以上の卵は産めません。
 (鶏の年間産卵数の世界記録は日本の鶏が持っていて365個です。毎日1個の産卵です、これは驚異的な数字です。