特発性顔面神経麻痺(1)

6月27日(金)
 朝起きたときから左目が何となく重く感じる。鏡に自分の顔を写して見る、左目で瞬きできない。「?」と思いつつ、日常生活に特段の支障ない。昨日の夕方から、舌の左半分の味覚が少々鈍くなっている事と併せて何となく気になる。「疲れがたまっているのかも知れない」と思い、午前中はブラブラとして過ごす。
昼食。食事中に左顎から左顔面にかけて麻痺してくる。たとえるなら、歯科医に行って左の奥歯に麻酔を掛けられたような「麻痺感」が左顔面を覆う。
左目、左顔面、舌の左半分。私の顔の左半分が麻痺し始めている。「脳梗塞?」「顔面神経麻痺?」、どちらにしても急いで病院に行かなければならない。
 車で10分ほどの総合病院の救急外来に、妻の運転で行く。
10分ほど待たされ、その後問診。MRIの検査を受ける。「MRIの画像を見る限り脳梗塞の疑いは低いので、顔面神経麻痺の可能性が考えられる。顔面神経麻痺の診断は耳鼻咽喉科になるので、耳鼻咽喉科に行って診断されるように。この病院には耳鼻咽喉科は無いので、隣の市のN病院に紹介状を書きます」との医者からの説明。
 車で20分ほどの隣の市のN病院に車を走らせる。
 午後2時、耳鼻咽喉科の女医により問診を受ける。問診テスト17点。「特発性顔面麻痺の疑いがありますので、入院して治療をして下さい」と入院を勧められる。 2階の入院病棟に移動。部屋は206号室、4人部屋。私のベットは入って右側の廊下側。私の隣のベットは94歳の老人ホームの「空き待ち」の老人。私の前は60歳前後の検査入院の男性。右斜め前のベットには、50歳代と思われる糖尿病が悪化して動けない男性が寝ている。
 私の入院が決まり、内科の女医からの問診。その後、採血、心電図、レントゲンと「おきまり」のコースを周り、ステロイドプレドニン30mg)点滴。
 6時、夕食。化学調味料の臭いが鼻につく。「ここはホテルではない、ここは病院だ」と当たり前の事を自分に言い聞かせる。
 7時、妻は家に帰る。「午後からの病院まわり、パジャマ等の入院必需品の用意」と妻にとっても目が回るような長い午後だったと思う、感謝、感謝。
 9時消灯。隣の老人と糖尿病患者の「元気ないびき」で眠れない夜を過ごす。