<村八分>

新潟・関川村元区長らに賠償命令 東京高裁
10月10日20時41分配信 毎日新聞
 新潟県関川村の沼集落の住民11人が、行事不参加を理由にごみ収集箱の使用禁止などの「村八分」行為をされたとして、元区長ら3人に賠償などを求めた訴訟で、東京高裁は10日、行為の差し止めと計220万円の支払いを命じた1審・新潟地裁新発田支部判決(07年2月)を支持し、元区長側の控訴を棄却した。安倍嘉人裁判長は「集落員としての権利や生活上の利益を奪う違法な取り扱いだ」と指摘した。
 判決によると、同集落では00年から8月15日に「岩魚(いわな)つかみ取り大会」を開催していたが、原告らは04年5月、お盆に作業を強いられるうえ大会の会計に不正があるとして「脱会」した。これに対し、当時の区長や大会実行委員長ら有力者3人は「従わないなら集落から脱退したとみなす」として、原告らに▽ごみ収集箱使用▽入会地での山菜やきのこ採取▽集落施設の使用――を禁じ、村や農協の広報紙、連絡文書を配布しないと総会で決めた。
 判決は、大会不参加の申し出により集落から脱退したと扱うことはできないと1審同様の判断を示した。元区長側は「集落の不文律を破ったことへの対応を総会で決め、弁明の機会も設けた」と反論したが、判決は「『村八分』と呼ぶかどうかにかかわらず不法行為で、総会の決議によっても許されない」と述べた。
 沼集落は36世帯で、うち11世帯の世帯主らが原告。状況は現在も変わらず、ごみ収集や広報紙などは村に直接依頼しているという。原告の船山栄さん(53)は「いやがらせに耐えてきたが、ほっとしている。平和な村を残す責任があり、今後も団結して頑張る」と話した。【北村和巳】

 裁判としては妥当な判断だと思います。が、ちょっと寂しい裁判です。
 現代の村は、情報が個人の自由という言葉と共に整理されないまま入り込み、共に『共通の夢』を見にくくなっています。
 村を行政の末端組織と考えるか、先祖から受け継いできた共有の生活の場と考えるかで、村に対する思いも変わると思います。
 私達のムラも、お盆に「盆踊りを」と何回か提案されるのですが、20代、30代の若者が少なくなり、もし盆踊りを復活させるなら、ムラで一番多い40代の後半から60代が中心になり行事を行わなければ成りません。
 そしてこの世代は、家の主として家を出て行った弟たちや親類を盆に迎える世代です。
 自ずからそちらに時間が取られ、「盆踊りを」の提案は毎年先送りされ、日の目を見ることはありません。
 田畑を持ってムラを出て行くことは出来ません、顔を合わせ、話を揉み、尖った部分を丸くして、2割の不満は腹の中にに押し込めて、ムラの基本である「全員一致」のうまい解決策を見つけることを望みます。