(2)香港空港発ヨハネスブルグ空港行1

 乗り換えた南アフリカ航空機内の中国人の多さにビックリしました。毎日鶏と戯れて、激動する社会から隔離されたような『のんびりした田舎の生活』を送っている私には想像を超えた光景でした。
 南アフリカヨハネスブルグに仕事探しや、親戚に会いに行くらしく(ヨハネスブルグにはチャイナタウンがあり、中国語の新聞が発行されているらしいです)、機内にも大きな荷物を持ち込んだ、質素な服装の素朴な顔立ちをした中国人が多いです。
 世界に拡散する中国人のエネルギーの強さの一端を垣間見、新聞やテレビで見聞きしていた時代の移り変わりを直に肌で感じた瞬間でした。
 機内に全ての乗客も乗り込み(ほほ満席でした)「そろそろ出発かな」と思っていたら、前方から乗務員が乗客の体臭消しのために「シュ、シュ」と消臭スプレーを機内にくまなく撒いて行きます。
 そのスプレー撒き方は「体臭消し」等と言う生優しさでなく「殺虫、殺菌」と言う方が適切に思えるほどの量を撒いて行きます。スプレーの臭いが余りにもきつく、私の周りにいた多くの日本人旅行者達は咳き込んでいました。
 香港からヨハネスブルグ迄は飛行機で13時間以上の長旅です。
 暗闇の中、無事飛行機は香港空港を飛び立ち、機内食の前にお絞りが渡されます。感染症予防のためか、使い終わったお絞りを回収する時は客室乗務員はゴム手袋をはめていました。
 そして機内食、確か先ほどの全日空機内でも夜食が出てきて食べたはずでしたが、また夜食か真夜中食か分からない食事を食べ、ビールまで飲み、満腹の腹を抱えながら早々とアイマスクをして眠りにつく努力をします。
 あいにく機内の私の席は主翼の真横、「ゴーッ」と絶え間ない飛行機のエンジン音が耳の中でこだまする最悪の席です。    
 真夜中、周りの乗客に迷惑がかからないように注意しながら身体をもぞもぞと動かし、立ち上がり屈伸運動をし「何とか眠りにつこう」とアイマスクで覆われた目をじっと閉じて、悶々と耐える時間を過ごします。
カバ。リウォンデ・サファリで

ワニ。後ろに見えるのは蟻塚