うら若き女性の新規就農

新規就農が「変人、世捨て人」などと思われ、農村で警戒された時代はもう遠い過去の記憶です。就職感覚で若い人達が農業に就き始めています。良いことだと思います。
「若い人間は都会に送り出すのが当たり前」と諦めきっていた農村に「うら若き女性が来る」、それだけで村は華やぎ、賑やかになります。しわくちゃ爺さん、梅干し婆さんの顔も人生の深みと味わいが感じられる村の天然記念物なのですが、都会では貴重な天然記念物も流石に村では見飽きています。毎日同じ顔の付き合わせ。生まれてから「ずーっ」と見続けていますので。
そんな村に若い女性が就農する。WELCOMEです。そして朗らで素直なら、村の人達はみんなでWELCOMEです。勿論、それなりの人生経験を積まれた女性、男性も歓迎されます。(小歓迎ですが。爆笑)基本的には村の人達は親切です。
村のおじさんたちは下心なしで、若い女性の世話を焼きたがります。(村のおじさんに限らず、世の中全てのおじさんかも知れません。)
村のみんなに歓迎される「うら若き女性の新規就農者」も時々ボタンの掛け違いからか、小さないざこざが重なり夢やぶれて都会に戻ることがあります。村にとっても若い女性にとってもこのような不幸なことは避けたいです。
1・農村と農業は別です。切り離すことは出来ませんが、農村には農業以外で多くの人達が生計を立てています。田畑があり、体力も、農業技術も、頼りになる親類もいるのに農業に見切りを付けた人達が多いです。それほど専業農家で生計を成り立たせるのは至難だとも言われます。肩肘を張らず、つまらない荷物を背負わず、農村に住み続けることから始めましょう。  
2・農業は「産業の哲学」とも言われるほど奥が深いです。努力して技術を学んでも『お日様』には勝てないことがあります。(この頃は「流通と相場に勝てない」とも言われます)自然に頭を垂れ、あまり無理な借金はしないようにしましょう。
3・農業は基本的には畑や田んぼで身体を使って働く仕事です。でも現代は畑や田んぼで働くだけでは生活が成り立たないことが多いです。「村の人に助けてもらったり、街の人に農作物を買ってもらう」都会以上に人間関係が大切にされます。人嫌いや、人と交わるのが下手な人は苦労します。
村に入るに当たり「一寸注意した方が良いこと」は沢山ありますが、基本的には習うより慣れろです。頭からでなく身体から農村に飛び込んでください。そして「うら若き女性」が 太陽の下、野良で堂々と小便が出来るようになれば、村人一人前です。焦らず頑張れ、ガンバレです。
藤が咲き始めました