オレオレ詐欺

 我が家にもオレオレ詐欺らしい電話が時々かかってきます。
 同居している長男の名をかたられると、余裕を持って「笑って」電話を切ります。長男本人が長男の名をかたるオレオレ詐欺の電話に出たこともあります。
次男の名をかたるオレオレ詐欺の電話もありますが、次男の名は読み間違えやすく、読み間違えて電話をして来た詐欺師がおります。親に自分の名を間違って電話をしてくる息子はいません。次男の名をかたるオレオレ詐欺も簡単に見分けられ、笑い話になります。
問題は三男です、三男とは離れて暮らしていて、名前も読み間違えようがありません。
7年ほど前の三男が大学生だった頃、「山口組だがお宅の三男を預かった、80万円を用意して3時までに銀行に振り込め。金を振り込まないときはお宅の息子がどうなるか分かるな」と午後1時半頃に妻に電話があり「お母さん、ごめんなさい、ごめんなさい」と泣きながら謝る息子の声が電話口で聞こえたようです。
2時頃、私が家に帰ったときは、妻はどの通帳からお金をおろして3時までに銀行で振り込もうと「あたふた、バタバタ」していました。
 妻から電話の内容を聞き、お金を振り込むのはよいが、振り込み後の息子の解放についてはあやふやなので「先ずは警察に相談をしてから」と焦る妻を説得して警察官の到着を待ちました。
パトカーで到着した刑事さんは「オレオレ詐欺かも知れませんね」と落ち着いた声で言われますが、相手の術中に陥て興奮していた妻は「息子の声を間違う母親は居ません」と譲りません。
もう一人の刑事さんが「ご心配なのは分かりますが、もういちど息子さんの携帯電話に電話してみていただけませんか」と優しく妻に話しかけ、妻が三男の携帯電話に電話をかけると「なに、お母さん。今バイト中」と元気な三男の声が電話から返ってきました。そこで初めて妻も「オレオレ詐欺」と納得して、ひたすら刑事さんに謝罪した経験があります。
 そして今日の朝の8時過ぎ「お母さん、今度の仕事の上司が厳しく、38度5分の熱が3日も続いているのに仕事に出てこいと言われて、フラフラしていて携帯を落としてしまった。それで新しく携帯電話を買ったので繋がるか確認したいのでそちらの携帯電話でこの携帯の番号に電話して欲しい」と家の固定電話に三男の名を語る男から電話があり、素直な妻は携帯電話で相手の指定した電話番号にかけると「会社のお金を使い込んだ、上司にばれた、会社を首だ」またまた相手の術中に陥てしまいました。
 鶏舎で集卵していた私が長男に呼ばれて、青白い顔をした妻から電話を替わると「仕手株に手を出して会社の金を使い込んだ」と息子を名乗る男からの話し。携帯電話の声は息子の声に似ていませんし、常日頃の親に対する礼儀も欠けた話し方です、三男が勤める会社の情景とはかけ離れたような会社の説明、、、。「あ、オレオレ詐欺だな」と判断して電話を切り警察に報告しました。素直な妻はオレオレ詐欺にはまりやすいタイプのようです。