ミツバ盗まれる

 今までの畑だけでは手狭になったので、借りている栗林を息子夫婦が開墾して今年から野菜を作っています。その畑の隅にミツバを6−70株植えてあります。今日畑に行ってみたら、そのミツバがきれいにつみ取られていました。山菜採りに来た人の仕業のようです。大根、ジャガイモ、ニンジンと一緒に育てられているミツバを「野生」と勘違いしようもないと思いますが。
 山歩きの好きな人が山菜を採っていたら「山菜を泥棒するな」と農家に注意され、農村の人情味のなさを嘆く話が新聞などに掲載されることがあります。自然からの贈り物の山菜を「家庭で食べる分」を採ることに目くじらを立てる農家は少ないです。往々にして街から来た人は「採らなきゃ損」とばかりに根こそぎ山菜を採って行くことが多いです。まだ蕾が膨らんでいないたらの芽は、鎌で切り倒して持って行きます。切り倒されたたらの芽は枯れてしまいます。
 農村には農村の、里山には里山のルールがあるのですが、そのことを忘れ「里山も農村も、都会の人にサービスするのが当たり前」と缶ジュースの空き缶やゴミを里山に捨てたり、人の畑もかまわず入り込んだり、傍若無人に振る舞う街の人もいます。
たらの芽も、ワラビもお日様を好みます。誰かがきれいに草刈りをして管理していることを忘れないで下さい。一面たらの芽やワラビが生えていたら「農家が育てている」と気づき「泥棒」しないで下さい。街の人から見たら笑えるような僅かな稼ぎですが、山菜でその僅かの稼ぎを大切にしている人達が農村にはいます。