カリフォルニア州の住民投票「広い鶏舎の義務付け承認」養鶏業界は落

*[卵と養鶏]カリフォルニア州住民投票「広い鶏舎の義務付け承認」養鶏業界は落胆

 大統領選に合わせて実施されたカリフォルニア州住民投票で、妊娠した家畜をゆとりあるスペースで飼うよう義務づける提案が、有効票のほぼ3分の2の支持を得て承認された。
カリフォルニアでは2015年以降、妊娠した牛、豚、ニワトリを飼う時には、動物が立ち上がったり横たわることができ、手足や翼も伸ばせるような空間を確保しなければならなくなる。具体的には、採卵養鶏業界の95%が現在使っている標準的鶏舎(1区画67平方インチ、21cm*21cm程です。大人の靴が一足程の狭さです。)が使えなくなる。推定2000万匹の家畜・家きんの飼い方に影響するこの提案は、動物愛護協会(HS)などによって支持され、養鶏業界は「消費者は安い卵を求めている。提案が承認されれば他州やメキシコの商品と競合できず生産者は破綻する」と反対していた。

 日本のウインドウレス鶏舎のケージ養鶏は、50cm*45cmの区画に5羽収容して(1羽450平方cmですから、カリフォルニア州の現状とほぼ同じ広さです)そのケージを8段に積み上げています。一坪当たり(3.3平方m)約150羽程が標準的です。我が家のような平飼鶏舎では一坪当たり15羽前後が標準的です。
 さて、人間に飼われる鶏にはどれほどの広さが「ちょうど良い」のでしょうか?
 鶏の声に耳を傾けることはできても、基本的には人間が「経営効率、愛情、愛護、自然環境」などを考え鶏の飼育環境が決まります。動物愛護の立場に立つ人は、動物(鶏)にできるだけ広い空間を求めます。「放し飼い」を理想の養鶏と考えます。現実に「放し飼い」を売り物にした養鶏場や、その卵がインターネットなどで高値で売られています。しかしながら、養鶏のプロの私から見ますと「胡散臭い商品」が多いです。
 鶏を「放し飼い」するには1反歩(1000平方m)に30羽程が理想と言われます。鶏の習性で鶏は群れて生活をして、草を食べ、地面を掘り起こします。草が無くなった地面に雨が降りますと、地面は田んぼのような泥んこ状態になります。鶏は泥んこ状態の地面の中を歩き、足にたっぷりと泥を付けたまま産卵箱に入ります。鶏は「内と外」を理解して足を奇麗にしてから産卵箱に入るほどの常識はありません。泥で真っ黒に汚れた卵は販売には向きません。空からは「ノスリ、カラス」が攻めてきて、地上では狸、狐、野犬に野良猫が「隙あらば」と鶏をねらいます。養鶏を生業にするには2−4町歩(2−4万平方m)ほどの広い土地が必要になり、このように広い土地を20−40カ所に区切り、空を網で覆い、廻りを電気柵で囲むことは現実的ではありません。日常の仕事も非常に煩雑になり「ちょっと」無理がある飼い方です。
 とは言え、ウインドウレス鶏舎のケージ養鶏のように、身動きも難しいほどの狭いケージに鶏を閉じこめるのは動物虐待が疑われると思います。現実にケージ養鶏の鶏はストレスによると思われる死亡が多いです。
 平飼養鶏が絶対に正しい飼い方とも言えません。鶏の基本的なグループは約20羽程と言われます。我が家でも10坪に約150羽程の鶏をいっしょに飼っています。一部屋に150羽も鶏がいますとストレスから虐めや尻つつきが出ます。鶏の愛護と養鶏の生業の間で悩む毎日です。


*[卵と養鶏]カリフォルニア州住民投票「広い鶏舎の義務付け承認」養鶏業界は落胆

 大統領選に合わせて実施されたカリフォルニア州住民投票で、妊娠した家畜をゆとりあるスペースで飼うよう義務づける提案が、有効票のほぼ3分の2の支持を得て承認された。
カリフォルニアでは2015年以降、妊娠した牛、豚、ニワトリを飼う時には、動物が立ち上がったり横たわることができ、手足や翼も伸ばせるような空間を確保しなければならなくなる。具体的には、採卵養鶏業界の95%が現在使っている標準的鶏舎(1区画67平方インチ、21cm*21cm程です。大人の靴が一足程の狭さです。)が使えなくなる。推定2000万匹の家畜・家きんの飼い方に影響するこの提案は、動物愛護協会(HS)などによって支持され、養鶏業界は「消費者は安い卵を求めている。提案が承認されれば他州やメキシコの商品と競合できず生産者は破綻する」と反対していた。

 日本のウインドウレス鶏舎のケージ養鶏は、50cm*45cmの区画に5羽収容して(1羽450平方cmですから、カリフォルニア州の現状とほぼ同じ広さです)そのケージを8段に積み上げています。一坪当たり(3.3平方m)約150羽程が標準的です。我が家のような平飼鶏舎では一坪当たり15羽前後が標準的です。
 さて、人間に飼われる鶏にはどれほどの広さが「ちょうど良い」のでしょうか?
 鶏の声に耳を傾けることはできても、基本的には人間が「経営効率、愛情、愛護、自然環境」などを考え鶏の飼育環境が決まります。動物愛護の立場に立つ人は、動物(鶏)にできるだけ広い空間を求めます。「放し飼い」を理想の養鶏と考えます。現実に「放し飼い」を売り物にした養鶏場や、その卵がインターネットなどで高値で売られています。しかしながら、養鶏のプロの私から見ますと「胡散臭い商品」が多いです。
 鶏を「放し飼い」するには1反歩(1000平方m)に30羽程が理想と言われます。鶏の習性で鶏は群れて生活をして、草を食べ、地面を掘り起こします。草が無くなった地面に雨が降りますと、地面は田んぼのような泥んこ状態になります。鶏は泥んこ状態の地面の中を歩き、足にたっぷりと泥を付けたまま産卵箱に入ります。鶏は「内と外」を理解して足を奇麗にしてから産卵箱に入るほどの常識はありません。泥で真っ黒に汚れた卵は販売には向きません。空からは「ノスリ、カラス」が攻めてきて、地上では狸、狐、野犬に野良猫が「隙あらば」と鶏をねらいます。養鶏を生業にするには2−4町歩(2−4万平方m)ほどの広い土地が必要になり、このように広い土地を20−40カ所に区切り、空を網で覆い、廻りを電気柵で囲むことは現実的ではありません。日常の仕事も非常に煩雑になり「ちょっと」無理がある飼い方です。
 とは言え、ウインドウレス鶏舎のケージ養鶏のように、身動きも難しいほどの狭いケージに鶏を閉じこめるのは動物虐待が疑われると思います。現実にケージ養鶏の鶏はストレスによると思われる死亡が多いです。
 平飼養鶏が絶対に正しい飼い方とも言えません。鶏の基本的なグループは約20羽程と言われます。我が家でも10坪に約150羽程の鶏をいっしょに飼っています。一部屋に150羽も鶏がいますとストレスから虐めや尻つつきが出ます。鶏の愛護と養鶏の生業の間で悩む毎日です。