自然の中での生活

 先日水を飲もうと台所へ行き右足のスリッパを下ろそうとしたら、足の下で黒い紐のような物が「チョロチョロ」と動きます。「うっ」と思い慌てて足を引っ込めて良く見ます、約20cm程のヤマカガシ(蛇)の子供です。箒とちり取りでヤマカガシを捕まえ山に返しました。開けておいた台所の入り口から侵入したようです。これが自然に抱かれた生活です。(笑)
この頃は静かですが、数年前には青大将が(見ていませんが青大将だと思います)ネズミを追いかけて我が家の天井に上り、夜になると青大将が天井を擦り動く「ズーッ、ズッ」と言う音が不気味でした。ヤマカガシ、青大将と話題に出たら最後は蝮です。軽トラックに乗っているとき、草刈りをしているとき、鶏舎で、その年々で違いますが私はだいたい毎年蝮に出会います。蝮を草刈りの機械で切り裂いたり、軽トラックで轢いたりしたことはありますが(確信的行動ですが)幸いなことに蝮に噛まれたことはありません。
 かれこれ10年ほど前になりますが、作業小屋で釘箱を引っ繰り返してしまい、釘を拾い集めることに集中していて、ひょっと前を見ましたら私の左手の数cm先で蝮がとぐろを巻いていました。心臓が止まりそうになった瞬間です。蝮でその次に怖かったのは、我が家では鶏の餌を攪拌して10kgに計って袋に詰めておいておきます。鶏の餌は菌体化して発酵させてあります。発酵した餌は暖かく住みよいのか蝮が餌袋の間に隠れていたこともありました。「自然と、万物の生き物と仲良く」はなかなか難しい世界です。
 梅雨の時期は、蟻が隊列を組んで家に上がってきます。この時期は砂糖壺は厳重に管理しておかないと蟻の巣になってしまいます。オニヤンマがゆったり家の中を飛行するのは絵になり楽しい時間ですが、湧いて出てくる蟻には辟易させられます。
 しめった所にはムカデが居ることがあります、長靴などは逆さにして中を払ってから履く癖は必要です。藪などの草刈りではアシナガバチに刺されることがあります。刺されたのがアシナガバチなら笑ってすませますが(人によっては違います。蜂に弱い人は病院に行く必要があります)、これが黄色大スズメバチスズメバチなら病院に大至急駆け込まなくてはいけません。自然とは危険な物のようです。
 この季節、秋になりますとコオロギやスズムシが家の中に入り込みうるさく鳴きます。風流を通り越して「雑音」以外の何者でもありません。
  ウサギやハクビシンは畑の野菜や果物を食い荒らし、狐や狸は「隙あらば」と我が家の鶏をねらっています。自然は私の自由になりません。自然は私の思いに関係なく、存在しているようです。