新型インフルエンザの恐怖

 土曜に放映されたNHKスペシャル「ドラマ・感染爆発」 、それに続いて日曜に放映された「新型インフルエンザの恐怖 」をビデオに撮り昨日見ました。
私は常日頃テレビドラマを殆ど見ないためか、「ドラマ・感染爆発」を見終えるのは私にはやや苦痛の時間でした。
90分弱の時間の中に、親子問題、現代の医療問題、大学での教授選、日本海沿岸の寒村にたどり着いた脱国者による新型インフルエンザウイルスの持ち込み。「これでもか、これでもか」とてんこ盛りで、まとまりのないドラマでした。
テレビを見ている人に「郵便ポストの赤いのも、日本の不景気も、新型インフルエンザウイルスによる多大な被害も全て北朝鮮が悪い」と想像させるような安易なドラマの作り方でした。
 もし今現在、新型インフルエンザウイルスのドラマを作るなら「東南アジア(今現在、鶏インフルエンザによる感染者が一番多い)からのビジネスマンか旅行者が成田経由で新型インフルエンザウイルスを日本に持ち込んだ」という設定が一番無理が無く、可能性も大きいと思います。それをわざわざ「日本海沿岸にたどり着いた脱国者による新型インフルエンザウイルスの持ち込み」にした意図は私には理解しかねました。
ドラマの導入の5分ぐらいを新型インフルエンザウイルスの日本への持ち込みに使い、残りの時間は、医療機関と政府はどの様に新型インフルエンザウイルスの恐怖に対応するかを映し出せばもう少しまとまりのあるドラマになったかも知れません。
11年前に香港で始まった鶏インフルエンザH5N1の人間への感染問題は、時間と共に世界各国に広がりを見せて、今後は新型インフルエンザの世界的大流行は避けられないようです。
今現在、新型インフルエンザによる致死率は60%と言われています。
 ウイルスは人間の細胞内で増殖しますので、人間の致死率が高いとウイルスも増殖の機会を逃してしまいます。どこかで致死率が下がり感染力を増したウイルスに変異して「香港風邪やソ連風邪」のように世界に広がりを見せるのでしょうか。
そのとき、1918年に流行した「スペイン風邪」のように世界の二人に一人が感染して、致死率が1割ほどに成ったら世界は大パニックになるのではと恐れます。
 「スペイン風邪」の流行時は第一次世界大戦と言う特殊な時期でもありました。医療も薬も今ほどには発達していなくて、、、、。
 もし新型インフルエンザが世界的に大発生しても、「スペイン風邪」の様な被害は出ないと思いたいです。