「のろまん」の桃

桃は大好きな果物です。
桃は高級果物。贈答用のパンフレットなどを見ますと、桃は1個当たり最低でも500円以上はします。「美味しい桃を食べたい」と思いつつも、桃1個に500円以上も出せるお金は我が家にはありません。
 「それでも桃が食べたい」とスーパーで財布と相談しながら桃を購入します。そして味で裏切られます。ひどいときは「これは桃か大根か?」と言うような桃を購入して「反省」させられます。そんなことが何回か続くと、流石の私も桃を購入して食べることを諦めます。
数年前、東京の白石さんより桃が送られてきて、その美味しさに驚き「のろまん」の桃のファンになりました。高級果物の桃としては値段もお手頃です。
もし桃が大好きなら、「のろまん」の桃はお買い得かと思います。お試し下さい。                       
                                               のろまん便り2007年・夏年号 発行者:田中 泉 
                                     
のろまんエッセー  「 花笑み 〜 マンガンだと認知して 〜 」 

  桃には、たくさんの花芽がつきます。花が咲き、実になり、最終的に袋をかける実は、その4〜5%くらいです。できるだけ早い段階で落とせば、その分残る実に養分がいくのですが、受粉するか、いい実になるか、また降霜害や生理落果の心配などがあるので、一気には落とせません。蕾・花・果実のそれぞれの段階で計5〜6回まわって、成り位置がよく、大きくて、変形や傷のない実を選びます。袋をかけられても、落果・病虫害・擦り傷や割れなどにより、最終的に収穫され出荷できるのは、その70〜80パーセントです。
 春先のある日、畑で桃の花のつぼみを摘んでいました(摘蕾作業)。「せめて花くらい咲かせてやりたかった。ごめんね。」と思いながらも、手はひたすら蕾を落としていました。ふと隣の畑に目をやると、いつものじいちゃんが、じゃが芋の種芋を植えていました。暖かな陽気に誘われてか、その日は珍しくばあちゃんも一緒でした。じいちゃんが一生懸命に働く傍らで、ばあちゃんは野菜の収穫用のコンテナに腰を掛けて、ボーっと見ていました。じいちゃんは時々話しかけますが、ばあちゃんは、トンチンカンなことばかり言っていました。少しするとばあちゃんは、止めてあった乗用耕耘機の運転席に座り、楽しそうに体を動かしながら、ハンドルを回し始めました。それを見て私は、子どものころ近くの動物園で、10円入れると動くパトカーや消防車の遊具に乗って楽しかったことを思い出しました。しばらくすると飽きたのか、今度はばあちゃん、泥団子を作り始めました。じいちゃんが「うまいお茶請けできたかい?」と尋ねると、ばあちゃんは「何言ってるんだい。これは泥だ!」と怒って言いました。「そうか、そうだったな。」とじいちゃんは、仕事の手を止めて空を仰いで笑いました。やっぱり「農」の福祉力、頭で考えるだけじゃ、だめなんだなぁ。田舎では、そして田畑では、みんなが自分らしく生きられる、素直な時が刻まれます。
  作物を育てる上での三大肥料成分は、窒素・リン酸・カリですが、それ以外に微量要素も大切な働きをします。桃の病気「落蕾症(つぼみが落ちてしまう)」の主要因のひとつは、微量要素であるマンガンの欠乏です。これからの時代を生き抜いていくには、小さくてもいいから自分らしい夢を持ち、それを実現するために、自分の体と心に肥やしを蒔くことでしょう。みなさんが人生の夢の蕾を落とすことなく花咲かせ、実らせ、満願の日を迎えられるように、のろまん農場が微量要素マンガンの施肥役になれたら嬉しく思います。共育ちを願って。そうそう、窒素・リン酸・カリのお求めは、お近くの農協へ。今年夫が農家組合長なもんで、何とぞご協力のほどを(笑)。
 知的障害児の福祉と教育に尽力した糸賀一雄は「私たちのねがいは、重症な障害をもったこの子たちも立派な生産者であるということを、認めあえる社会をつくろうということだ。『この子らに世の光を』あててやろうという哀れみの政策を求めているのではなく、この子らが自ら輝く素材そのものであるから、いよいよみがきをかけて輝かそうというものだ。『この子らを世の光に』なのだ。」と述べています。このエッセーのタイトルには2つの意味を込めました。のろまん農場がみなさんの花笑みのための微量要素だと認めてもらえるように、畑仕事に精を出しますという誓いと、このじいちゃんにとっては、たとえ認知症になっても人生の苦楽を共にしてきたばあちゃんと一緒にいられる今が、正に満願・花笑みの日々なのだろうなあとの思いです。♪立ち止まる僕のそばで 優しく開く笑顔のような 蕾を探してる 空に(コブクロ「蕾」) じいちゃんは笑った、空を仰いで。

 のろまんネット 桃の全国発送いたします  減農薬・無化学肥料栽培 送料:別途
量目           贈答用価格         ご家庭用価格
3kダンボール箱入り
10個前後       2,100円
5kダンボール箱入り
13個〜18個       3,150円           2,100円
※ 販売期間 :  果肉が白い桃 → 7月下旬〜9月下旬  黄色い桃 → 8月下旬〜10月上旬
ドーナツ形の桃、「蟠桃(番頭)」は、8月下旬頃です。
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