台風4号

台風4号は沖縄から鹿児島県に上陸して、その後は日本列島に沿うように太平洋側を暴風雨に巻き込み、房総半島から日本を離れていきました。
 今回の台風により、各地で家屋や農作物などに多大な被害が出ているようです。命を無くした人、家を無くした人、田畑そして今年の収入を「水に流された」人。いつものことですが、自然と共に生きる農林漁業の人達が台風に直接痛めつけられ、自然の厳しさを味わっています。頑張って下さい。
 今回の台風4号は「7月としては観測史上最強の台風」だとのことでした。地球の温暖化のためか、ここ十数年「気象観測史上最悪、最強、最高、最低」等の文字が新聞を踊ることが多く、私たちも「またか」とならされつつあります。落ち着いて考えてみますと、ものすごく恐ろしい気候条件の時代に私たちは足を踏み込んでいるようです。そしてこの気候悪化の原因の多くは私たちの日常生活により作られているようです。
 先日、民放のバラエティー番組を見ていましたら、物理学者の大学教授が「温暖化で北極の氷が溶けると地球の海面が上がると環境論者は嘘を言い続けている、アルキメデスの原理で考えれば海面は上がらないのは分かるはずだ」と、下々の無知な人間を諭すように「環境論者」を批判をしていました。
 私はテレビに向かい「教授。北極の氷が溶けるではなく、北極地域の氷が溶けるだよ。グリーンランド等の陸地の氷が溶けて、海面に流出したら海面は上がるの。小学生にも分かる常識」と思わず突っ込みを入れてしまいました。それ以上に問題なのは、グリーンランドの冷たい水がヨーロッパ海域に流れ出し、大きく世界の気象を変えるだろうと予想されていることです。
 台風4号による被害ではありませんが、いま、他人の痛みをどの様に想像し、共有できるかが私たちに問われています。私たちは「環境破壊による、気象の悪化 」と言う真実の痛みから目をそらすべきではないと思います。教授という名前で「間違った知識」で痛みを茶化し、分断しないで下さい。