ミートホープ社

「偽装ミンチ牛肉」「水で増量鶏肉」「賞味期限書き換え」「偽装国産肉」等々。
 食べ物を扱う食肉会社が「よくぞここまで偽装を考え出した」と感心するやら呆れるやらの今回のミートホープ社の事件です。想像力豊かで噂話が大好きな百姓でも「ここまで考えつかないよな」と言う話がボロボロ出てきます。このような無責任な話はミートホープ社だけであって欲しいと思います。
先日テレビでミートホープ社の社長が「値下げを強要する業者も悪い、50%割引などを信じる消費者も悪い」と放言していました。
あらゆる違法行為に手を染めて、他社をけ落として業績を伸ばしてきたのがミートホープ社です。「その食肉の違法行為に気が付かなかった」と消費者が責められるようでは本末転倒です。消費者は数多くの食品の安全性や、製造過程を確認する手段は殆ど無いに等しいです。このような状況で消費者が判断材料に使うのは販売者の信用だと思います。
 ここで「値下げを強要する業者」と言う社長の言葉に戻ります。偽装して肉の値段を値下げをして、販売を拡大したミートホープ社の責任は重大ですが、安くその肉を仕入れ、消費者に「品質、安全、安心」を社名で保証して販売していた(少なくとも消費者はその様に信じて購入していたはずです)生協、スーパーなどの大手の販売会社の責任はミートホープ社以上に重大だと思います。
 生協、スーパーの食肉担当者もプロの自覚を持って欲しいです。自社の責任による品質を第一に考えたら、自ずからその肉の品質やコストは判断でき、その様な偽装肉を使った商品を消費者に販売することは出来なかったと思います。
 「お客様第一主義」と言いながらも、これらの会社の利益第一主義が見え隠れする今回のミートホープ社の問題です。そしていつものことですが、責任を曖昧にしている行政の怠慢には呆れるばかりです。

世界屠畜紀行

世界屠畜紀行

 話は変わりまして、私たちが毎日食べている肉について考える『世界屠畜紀行』ご一読を。鶏を屠畜するとその蒸せるような臭いが鼻につき、一週間は鶏肉が食べられなくなる軟弱な私と違い、作者(若い女性です)の屠畜を愛する強さには感心させられます。あっぱれ。