白石さん

 白石さんと言っても「生協の白石さん」ではなく、私の友人の東京は練馬の百姓、白石さんが訪ねてきました。新規就農の我が家と違い、白石農園は江戸時代の初期から400年以上に渡り連綿と続く由緒ある農家です。
都市農業である練馬の農家もバブル時代に踊り、踊らされ、借金だけを残した家も多かったようです。バブル時代も踊ることもなく、百姓仕事一本で頑張った農家が今頑張っています。
『白石農園』の約2町歩(6000坪)ほどの畑を、両親と白石さん夫婦4人で経営しています。その内の5反歩(1500坪)を125画に分けて、貸し農園として近くの人達に貸し出しています。一区画9坪(残り農地は公共部分になるようです)を年41000円で貸し出し、季節にあわせて個々に農業技術指導をしているので、農園を年度の途中でやめる人は皆無のようです。 
 貸し農園は人気で(白石さんの優しい性格と、豊かな農業技術指導が人気のようです)125画全てが貸し出されています。5反歩で510万円ほどの売上になります。茨城の県北部のこの辺では、ただでも畑の借り手は見つけにくい時代です。夫婦で5反歩を耕し、路地野菜を作っても売上が500万円に届くことは至難です。作物を作るための畑に違いはないと思います、東京都と茨城県の北部との「便利さ」違いなのでしょうか?
 勿論、白石さんが持っている「人を引きつける」力は絶大です。そして、団塊の世代の定年時代を迎えて、東京都では貸し農園の需要は高まっているようです。 
白石さんは、残りの畑で葉物を中心に育てています。テレビ、新聞、ラジオなどで取り上げら、映画『北の零年』の吉永小百合に農事指導したりと白石さんは農業の世界ではちょっと有名人。畑の野菜も「買って下さい」ではなく、スーパーなどのバイヤーが「売って下さい」と訪ねてきます。
 この8月からは、農園で「食育」をかねてレストランもオープンするようです。
白石さんは農業に色々な夢を描き、都市農業として都市に住む人達に喜ばれる新しい農業の生き方を探し、実践しています。
6月紫陽花