田舎暮らし

 各種機関の調査によりますと、私たち夫婦と同世代の「50歳代」の田舎暮らし願望が、他の世代に比べて飛び抜けて大きいようです。子供たちも育ち、定年を間近に控え、残された時間の2−30年を何処で、どの様に過ごすかを真剣に考える世代のようです。
 私たち世代は、論語の「三十にして立つ、四十にして迷わず、五十にして天命を知る」とはほど遠く「50歳代」にてまだ迷い、立つようです。孔子の時代とは比べものにならない程寿命も伸びた現代は、「50歳代で立つ」で十分なのかも知れません。
 テレビや雑誌で紹介される「田舎」は美しく、満員電車などの日常の生活に疲れた人達の憩いの場、損失した良き昔のように写るかも知れません。しかし田舎暮らしも現実の問題として考えますと、多くの障害があります。
 夫婦2人にとっての『田舎』を何処に求め、その終の棲家でどの様な時間を過ごし、その生活を助ける金銭的な裏付けも求められます。
 漠然と「田舎暮らし」と考えても、人間は社会的動物です。知人、友人のいない新たな土地に入り込むのは大きなエネルギーの必要なことです。
 田舎で新たに仕事を見つけることは至難です。仕事はない、お金はないではせっかくの田舎暮らしも安定しません。生活費は年金でカバーできたとしても、やることが見つからない日々は苦痛です。健康で土いじりが好きなら、野菜作りを村の人達に教えを請い、そこから村の人達との交流の場を作るのも良いでしょう。美味しい野菜が食卓を飾り、幾ばくかの家庭費の助けになり、無理をしない限り健康維持の助けになる家庭菜園は良い趣味で、良い時間の使い方だと思います。
 「土いじり」は合う人と合わない人があるようです、慌てて田舎に引っ越す前に夫婦で話し合い、自分を見極めることも大切かと思います。
 何か長年の趣味があり、それが田舎の人達にも喜ばれるものなら最高です。趣味で人の関わりが増え、案外スムーズに田舎にとけ込めると思います。
なぜ見も知らない田舎に住みたいのか?もう一度、落ち着いて考えてみて下さい。夫婦の意見が合いましたら行動して下さい。明るく、素直で、みんなと協調できる人は田舎でも喜ばれます。頑張って下さい。
我が家の6月の庭(バラ)