ウインドレス鶏舎

現在、日本で流通している鶏卵の8−9割はウインドレス鶏舎で(窓を無くして、光や空気を管理し、換気のために換気扇などで機械的に環境を調整した鶏舎。より詳しく知りたい方は、インターネットで検索しましょう。)飼育されている鶏達の卵だと思われます。 スーパー等で市販されている特殊卵(ヨード、ビタミン、ニンニク等を強化した卵です)の比率もあまり変わらないと思います。ではなぜ特殊卵は値段が高いのでしょうか?
 簡単に言い切りますと、養鶏業者と販売業者の利益率が高いのです。この問題についてはまたの場で話したいと思います。
さて、それほどウインドレス鶏舎は良い物でしょうか?
 一定面積に沢山の鶏を押し込めて管理でき、薄暗くしておくので鶏はあまり動かず餌効率が良く、太陽の光に当たらないので赤玉などの殻の色が濃く(鶏は光に当たりますと殻の色は薄くなります。卵の殻の色は太陽の光以外でも変わります)「美味しそう」と勘違いを誘います。鶏舎建設代金が高い、維持エネルギーコストが掛かる等の欠点もありますが、総じて経営者には利点の多い飼育方法です。
そこで働く人達には最悪です。冬場など寒い時期は外との空気の入れ換えを出来るだけ少なくして、鶏の体温で鶏舎内温度を高く保ち餌効率を良くします。 
冬場のウインドレス鶏舎は目を開けられない程アンモニアで臭いです。最悪です。
 先日、鶏インフルエンザの定期検査(国の法律で定められ、年に2回、県の検査があります)で我が家に訪ねてきた係員は「ウインドレス鶏舎の鶏を見たら、あの卵は食べられませんよね」と笑っていました。ウインドレス鶏舎は普通の常識と、普通の感覚がある人は考えてしまう鶏の飼い方です。
 では肝心の鶏達にとってウインドレス鶏舎はどうなのでしょうか?
 彼女ら鶏の意見は聞いたことはありませんが、ウインドレス鶏舎の鶏の自然死は我が家の鶏達の5−10倍程だと思います。「自然死が5−10倍」これは異常なことだと思います。原因はストレスが考えられます、ウインドレス鶏舎の鶏を解剖すると内蔵の色はくすんでいますし、それぞれの内蔵は今にも崩れそうな程、形がはっきりしていません。
 その様な鶏達が産む卵です、ウインドレス鶏舎は消費者にもあまりメリットはないと思います。
 考えてみてください、六本木ヒルズや地下街で働いたり、高層マンションに住んだら、自然の中で働く百姓より自然死が5−10倍も高ければ、これは大問題になります。(はい、ウイドレス鶏舎と高層マンションは違う物です。しかし、都会のビルに囲まれた生活はストレスが掛かる生き方です。注意しましょう)
 食べ物の安全にこだわる生協の係員も、一度冬場のウインドレス鶏舎を訪ねてみては如何でしょうか?
 何十年も続いている不景気から多くの養鶏場は飼料会社に莫大な借金をして、垂直統合されています。毎日鶏と接している養鶏家だけではこの現状を変えることは至難です。
 消費者がウインドレス鶏舎の現実を理解して、鶏のためにも、卵を食べる人のためにも現状を変えるために動いて欲しいと思います。

庭のチューリップ(上記の文と関係はありません。)